『みずは無間』六冬和生

恋人のみずはの肉体的・精神的な飢餓感から少しでも逃れたいあまり、無人探査機のＡＩに転写された雨野透の人格。

目的のない旅の中で自らの機体を改造し、自分のコピーをばらまき、情報知性体をつくりある星に住まわせた。

しかしそれが何万年の後に、透のＡＩ自身、いや宇宙全体に大きな影響を及ぼしそうになる。

この果てしのない飢えは、みずはだけのものなのか、人類共通のものなのか？

あまりにも空虚で痛々しく、徒労感のある物語ではありますが、面白かったです。

みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション) 価格：￥ 1,728（税込） 発売日：2013-11-22

『小林信彦 萩本欽一ふたりの笑タイム』小林信彦 萩本欽一

主に、浅草喜劇出身のコメディアンについて、小林信彦さんと萩本欽一さんが、その素顔や舞台裏について語り合った対談集です。

それにしても、渥美清さんや森繁久彌さんがコメディアンだったとは知りませんでした。

あと、若かりし頃から萩本さんは面白いことを学ぶことや開拓することに貪欲だったのですね。

今、コメディアンを目指す方々にも参考になりそうな本だと思いました。

小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏 価格：￥ 1,620（税込） 発売日：2014-01-24

『伊藤くんＡｔｏＥ』柚木麻子

見かけはよいけれど、自尊心ばかりが高く、中身は薄っぺらな伊藤くん。

そんな伊藤くんに惚れる女性、惚れられる女性、見下す女性など、様々な女性が彼に関わることで成長する姿が描かれています。

それにしても、伊藤くんの人生はむなしそうですね。
私も傷つくことを恐れがちなので、気を付けたいと思いました。

伊藤くん  A to E 価格：￥ 1,404（税込） 発売日：2013-09-27

マイキット閉鎖予定

この日記を置いているマイキットが、諸般の事情で７月で閉鎖することになりました。

現在、他のレンタル日記を探しています。
決まったら切り替えることになりますが、古い日記が保存できるかどうかは分かりません。
できるだけ保存の方向で動きたいのですが、少なくともＯＣＮの日記への引っ越しは、うまくいきませんでした。

また時間のあるときに、挑戦してみます。

『空ちゃんの幸せな食卓』大沼紀子

血の繋がりのない義母は、私と姉にそれぞれソラマメ、師匠とあだ名をつけて一緒に暮らし始めた。

表題作も、複雑さの中に自ら育む家族の温かさがあって、とてもいい話だったのですが、サムと四番目の父ちゃんであるよんちゃんとの心の交流を描いた「僕らのパレード」が、私は好きです。

複雑で重い物語となりましたが、再生の物語と受け取りました。

空ちゃんの幸せな食卓 (ポプラ文庫 日本文学) 価格：￥ 670（税込） 発売日：2013-04-03