こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部兵士の娘III』香月美夜

2019-08-29 19:41:41 | 落語
 
マインの身喰いは、フリーダ用の魔術具で熱を吸い取ってもらい、一時的に収める事が出来た。
しかしこれは治ったわけではなく一年ほどでぶり返すため、早急に貴族と契約しなければ死んでしまう。
ただそれには、貴族による飼い殺しを覚悟しなくてはならない。

一時は一年後の死を覚悟しつつも、家族との暮らしを選んだマイン。
ところが、洗礼式の為に行った神殿で図書館を見つけ、我を忘れた事が功を奏する。

貧富ばかりか身分の差も大きいこの世界。
今の時代に生まれた人間としては立腹しそうなものですが、そんな中でも、マインはそこに合わせながら自然体で世界を変えて行けそうな器の大きさと、懐の深さを持ち合わせているような気がします。

次巻から、マインは大きな環境の変化に身をさらされそうですが、本の為には艱難辛苦を乗り越えていけそうに思えます。

面白いですよお。
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『お隣さんは名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常』蒼井上鷹

2019-08-25 19:59:33 | 落語
 
郊外に建つマンション<アーバンハイツ歌川>の大家さんが入院した事で、息子が出てきたばかりか、そこをシェアハウスに改築して、とある会社の社員寮にして儲けるため、店子を正当に見える理由を探し出して、追い出そうとしているようなのだ。

お笑い芸人の道を諦め、声の仕事を始めた青年。
一日一組の客に、美味しい天然ウナギを振る舞う店。
電化製品の修理が得意な夫婦に浮上した、妻の浮気疑惑。
聴き上手の平本あやさんにかかると、住人の秘密が明らかにされてしまう。

1つ1つの謎に注目しているうちに、根本にある秘密から気をそらされてしまっていました。
とはいえ、まさか、そんな事が隠されていようとは、思いもよりませんでした。

とても面白く、読み終えると「やられた」感が強いのに、爽快感を伴っているところが素晴らしいです。
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コミックス『金の釦銀の襟』久世番子

2019-08-24 20:09:06 | 落語
 
ケンカで留年した中等部4年の新津士郎は、親の意向で修学院に編入して東寮に入る事となった。
それは、皇太子殿下のご学友になるという事を意味した。

しかし新津は、ご学友になどなりたくないという態度をあからさまにしている為、東寮の委員長である梅小路の反感を買っていた。

『パレス・メイヂ』の陛下の甥にあたる皇太子殿下の物語です。
ご学友というのも制限が多くて息が詰まりそうですが、何よりも、皇太子殿下が一番窮屈でしょうね。
明らかに、敬して遠ざけています。

士郎自身も、子どもの頃からの大切な友人・弥吉が身分差別を受けて、それに何も出来ない事を悔いているからこそ、逆に、籠の鳥の皇太子殿下を心底思いやる事が出来るように思えます。

士郎、いい奴だね。
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映画『天気の子』

2019-08-23 19:30:04 | 映画
映画『天気の子』を観てきました。

天気について、奇跡を起こせる少女と家出少年の青春ラブストーリーです。
一応、ハッピーエンドですが、3年間もああだと生態系がずいぶん変わりそうですし、作物はもちろん、動植物全てが影響を受けそうです。
桜、咲きますかねえ?

せっかくのハッピーエンドに水を差すようで申し訳ありませんが、とっても気になりました。
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『吐田家のレシピ』渡辺浩弐

2019-08-20 19:54:47 | 落語
 
引きこもりで、ニート気味の吐田ススムは40代。
小学校高学年の娘、グミコと二人暮らし。

幼い頃、母と兄に虐待されながら育ったせいか、コミュ障だが、グミコを生んで早くに亡くなったメグミさんとは、出会う事ができた。

これは、吐田君とグミコ親子の日常生活の物語である。

コミュ障という事もありますが、吐田君は大体において不器用です。
でも、逆にそれだけ一生懸命に生き、子育ても精一杯やっているようです。
不器用な分、周りのずる賢い人々に利用され、心身ともに痛めているところを読むのは辛いですね。
ただ、いい事も起きていますし、グミコちゃんが主役という続編も(あとがきに予告はあります)読めたらいいな、と考えています。
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