こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

樹上のゆりかご

2006-08-31 00:00:00 | 未分類
荻原規子さん『樹上のゆりかご』読み終わりました。

辰川高校に合唱祭で、誰かがパンの中にカッターの刃を混入させていたという事件が起こった。
しばらくは、探偵まがいに調べていたのだが、半月も経つと事件はうやむやになった。
当時パンの販売を手伝っていた上田ひろみは、その縁で生徒会執行部にスカウトされた。

気分転換で本屋に寄ったひろみは、一部では有名な近衛有理に出会った。
彼女は、ひろみにとって話していて楽しく好感の持てる友人になっていくのだが、
親友の夢野はそれが有理の企みだと言う。
生徒会執行部の活動、合唱祭、演劇コンクール、体育祭、どれも大変ながらも
楽しく充実した毎日のはずなのに、カッター混入事件からキャンバス破損事件までが影を落とす。
犯人は、何を目的にしているのか。

有理は、元男子校ならではの閉鎖性が、女子にとっての居心地の悪さを生み出すと言います。
私の母校は、元女学校だったのですが、逆に男子のとって居心地が悪かったのだろうか?
と思い返してみました。

目的のためなら手段を選ばない犯人の狂気と執着が怖かったです。
事件が終わってみて、ひろみ達に心のしこりを残しながらも、前より色んな意味で成長したように感じました。
中高生に特に読んでもらいたい本です。

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映画『笑う大天使』ネタバレ

2006-08-30 00:00:00 | 未分類
博多駅まで映画『笑う大天使(ミカエル)』を見に行ってきました。
配役としては、主役3人に関しては身長差では合格なのですが、雰囲気が違います。
しかも、安易に史緒さんに関西弁しゃべらせないでほしいです。

柚子さんのご両親と孝志兄ちゃんは、イメージぴったりです。
豪邸の中のちゃぶ台での食事シーンは、あんなに高い位置に無くてもよさそうなものだが・・・(^^;)

史緒さん家の食事シーン、殿下との会話がかみ合わないところの再現は、なかなか楽しめました。
今回の主役だけあって、司城家の悲しい過去と兄弟愛が丁寧に描かれています。
さすがに、殿下が史緒さんに銀行通帳を渡してあらぬ想像をしてしまうところは描かれませんでしたが、
残念?
あと、あじのひらきを口にくわえさせるのは駄目ですか?チキンラーメンが限界ですか?
楽しみにしていたのになー。

和音さんと俊介さんとのからみ、剣道で鍛えられているところは気に入りました。
もう少し、ことわざの応酬が欲しかったですね。例の「憎まれっ子世にはばかる」とか。

3年生のお姉さま方、静姫、沈丁花さん、あの中で特別秀でているようには思えなかったのですが、
きっと気品があって純真でまっさらなのでしょうね。映像からでは感じられません。

ガーデンパーティーでのお嬢さま方の髪形、下品でした。
もうちょっと清楚に気品ある髪形にできなかったのでしょうか?
あと無理に庶民の食べ物を勧めなくてもよさそうなものですが。

ロレンス先生は、国語の先生のはずなのにたどたどしい日本語を話していたのが納得できません。
源氏物語のレポートに頭を抱えているシーン、好きでしたけど再現されませんでした。
孝志兄ちゃんにお餅を勧められるところとか。

あ、そうそうレポートのためにお互いの家に集まって話し合っているところ。
殿下が聞いて苦悩している表情も好きでしたねー。これも再現されていません。

ダミアンについては、本物の犬に麦チョコの後を追わせてパトカーが追跡するというのは
困難だと思っていましたので仕方ないです。お嬢さま方の弁当を取り上げるとか、
ケンタッキーフライドチキンの16ピース入りをもらって涙を流しているシーンなんて
実写じゃ無理ですものね。

まあ、猫の着ぐるみ3人分とか、麦666の再現とか、細かい配慮もありました。

こうして考えてみると、大好きなシーンが多くて映画程度じゃ間に合いません。
実写の配役の不満も多いです。ファンには、満足できないのが当たり前と考えるしか無さそうです。

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エアロバイク

2006-08-29 00:00:00 | 未分類
今日は、スポーツクラブでエアロバイクをこいできました。
出だしの15分はきつく感じるのですが、それを超えるといつまでもこげそうな気がしてきます。
無理ですけどね(^^;)
読書は、あと百ページ弱なのですが、間に合いませんので感想は後日。

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クドリャフカの順番

2006-08-28 00:00:00 | 未分類
米澤穂信さん『クドリャフカの順番』を読みました。
すみません『愚者のエンドロール』を飛ばしてしまいました。
神谷高校シリーズ第3弾ですね。

舞台は華の文化祭。
手違いで『氷菓』を二百部も刷ってしまった古典部。
これを3日で売ってしまわなくてはならない。
問題は、販売する部室が教室棟から離れているところ。
伊原摩耶花は、漫研の部員でもあり古典部の手伝いができない。
福部里志は、イベントに参加しつつ部の宣伝もするという一石二鳥の行動をする。
折木奉太郎は、省エネを信条とする店番。
千反田えるは、他の部においてもらえないか交渉するなど、販売促進に励む。

そんな中起こった「十文字」事件。
50音順に各部の持ち物を盗んでいくという、「ABC殺人事件」をもじったような
でもささやかな犯罪を起こしていく。
次の標的は?犯人の目的とは?

にぎやかな高校の文化祭。その楽しさを思い出しながら読み進めることができました。
摩耶花は、摩耶花であるために先輩とぶつかり、千反田は単刀直入でありすぎてうまくいきません。
様々な出来事が伏線になって事件解明につながるのですが、奉太郎、おぬしも悪よのう(^^;)
犯人ももどかしさ歯がゆさが、よく伝わってきました。

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ディアスポラ

2006-08-27 00:00:00 | 未分類
グレッグ・イーガン氏『ディアスポラ』ようやく読み終えました。

30世紀、人類のほとんどが肉体を持たず、人格や記憶をソフトウェア化して、
ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実で暮らしている。
少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。

ソフトウェアから親を持たずに生まれてくる人間(もちろん肉体無し)がいることも不思議な感覚ですが、
宇宙進出計画のため、多数の宇宙船に同じ人格をそれぞれコピー(でいいのかな?)して
どれかが遭難しても、全てが死滅しない限りは生存が保障されるというのも変な感じです。

ある船では、発展型コズチ・モデルを発見して地球に通信文を送ったが、その発見者と
別の船に乗っている同じ人格は、違う感覚なんですよね。
オルフェウスでは<絨毯>型生物を発見し、1個の分子だけでできているという
天敵がいないからこそできる生物を面白く感じました。

正直言って、この小説に出てくる数学・物理学のほとんどが解りません。
訳者あとがきでも書かれているように、解らないところは、どんどん飛ばして読み進めました。
これが理解できていたら、もっと面白さが増すんだろうと思いますし、残念です。

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