こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『真実の10メートル手前』米澤穂信

2016-08-17 19:52:48 | 読書感想
急激に成長し、鳴り物入りでナスダックへの上場を遂げたベンチャー企業フューチャーステア。
しかし、新たな事業を始めてから雲行きが怪しくなり、経営破たんした。

その社長・早坂一太と妹の広報担当・真理が行方不明になっていた。
手掛かりは、末妹・弓美にかかってきた電話の録音データだった。

表題作をはじめ『王とサーカス』のジャーナリスト・太刀洗万智を主役にした短篇シリーズとなっています。
取材対象は、老若男女・善人・悪人、その他様々ではありますが、 読んでいくと心が締め付けられるような気分になります。
太刀洗が、彼らの思いを引き受けつつ取材をしているせいでしょうか?
どの短篇も、誠実さがにじみ出てくると同時に、結末に切なさを感じさせられます。

中でも、少年の心を守るという決意を感じさせられた「名を刻む死」が、一番印象に残りました。
お勧めです。
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2 コメント

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Unknown (神崎和幸)
2016-08-18 16:35:39
こんにちは。

自分も『真実の10メートル手前』読みましたよ。
いい作品ですよね。
太刀洗の独特で鋭い視点が良かったです。
そのうえ洞察力と真実に向き合う姿勢にも好感が持てましたよ。

「名を刻む死」もいいですよね。
特に太刀洗が少年にかけた言葉が良かったです。
本当にグッときましたよ。
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コメントありがとうございます。 (こっぱもち)
2016-08-18 19:46:25
こんばんは、神崎和幸さん。

本当に、いい作品で、仰るように太刀洗の真実に向き合う姿勢に好感と共感を覚えました。

「名を刻む死」の言葉は、冷たいようで本当の思いやりに満ちていますよね。
グッとくる方が多いと思います。

ありがとうございました。
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