こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『神様の御用人2』浅葉なつ

2014-08-05 19:42:27 | インポート

神様のお願いを聞いて、叶えてあげる御用を祖父から引き継ぐことになった良彦。

今回は、少彦名神がかつて大国主神と共に入った心地よい温泉さがしである。
ただ、現在の道後温泉では水質が変わったのか、あの時のような心地よさは味わえなかったというのだ。
貧しいバイト暮らしの良彦が、温泉巡りをしなければならなくなるのか?

少彦名神や大国主神、須勢理毘売(すせりびめ)は有名どころで、それはそれで楽しかったのですが、初めて聞いた泣沢女神も、幼い頃泣き虫だった私としては身近に感じられて、知らないながらお世話になった気になりました。

今回も良彦は、人・・・というか神様の心の機微に長けていて、そこが御用人に選ばれた理由でもあるのかなと感じました。夫婦喧嘩も鎮まりましたしね♪

あとは、貧乏神様の行く末と、次回登場する神様の顔ぶれが楽しみです。

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『わが盲想』モハメド・オマル・アブディン

2014-01-07 19:32:39 | インポート

アフリカのスーダンの首都・ハルツームで生まれた視覚障がい者のアブディンさんは、20歳になる少し前に来日なさいました。

当時、スーダンの政治状況は悪く、大学は四か月も閉鎖されたまま再開するめども立っていませんでした。
そんな中、鍼灸を学ぶための日本への留学話が、アブディンさんの元に舞い込んだのです。

来日してから紆余曲折があって、執筆時、日本の大学院生だったアブディンさん。
大変なことも多い中、よく日本のことを好きでいてくださると思いました。
今、就職されて幸せでいてくださることを願っています。

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『自殺卵』眉村卓

2013-12-29 19:44:40 | インポート

主人公が毎朝パン屋に通うコースのひとつに豪邸が建ったのだが、そこの住人は姓が主人公と同じばかりか、顔までそっくりだったという「豪邸の住人」
精神活動を活発にしてくれるあるサプリメントは、高齢者にある悪影響を及ぼすらしいという「アシュラ」

この短編集に出てくる主人公はすべて高齢の方ばかりで、その文章が書かれたころの眉村さんの心のあり様を、色濃く反映しているようにお見受けします。
かといって、表題作のタイトルから自殺願望があるのではとは、思いませんが。

ちなみに、私の好みからいくと「月光よ」「自殺卵」「ペケ投げ」「佐藤一郎と時間」がいいと感じられました。

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『たまさか人形堂物語』津原泰水

2013-12-19 19:45:53 | インポート

三年前、勤めていた広告代理店を突然リストラ解雇された澪は、入院中の祖父から病院に呼び出され、人形店・玉阪人形堂を生前贈与された。

狭い土地とはいえ世田谷、売ればそれ相応の額になる。
しかし、お祖母ちゃん子だった澪にそれはできず、まんまと時代遅れの商売を継がされてしまった。

当初はどうなることかと思ったが、手芸や工作に異能を発揮する冨永くんと、たぶん世間にある人形の半分くらいの種類なら修理できるという師村さんという、ふたりの従業員とともに、人形の修復をメインにして営業していけるようになった。

毀した人形の元の顔にうり二つの依頼者。
メイカーも直してくれないラブドール。
遠縁の親戚の住む有名な雛祭のある町で起きた事件。
など、様々な人形にまつわる不思議に出くわすようになります。

ちょっぴり人形ならではというか、人間が介在する不気味さもありつつ、澪の性格からか、ほのぼのする物語にもなっています。

続編に惹かれて、ようやく今頃読むことになりました。
次に図書館に行ったときに、続編があるといいのですが。

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『パラークシの記憶』マイクル・コーニイ

2013-12-15 19:53:12 | インポート

「ハローサマー、グッドバイ」の続編です。
舞台は同じ星、とはいえ前作の少なくとも数百年から千年以上あと。
前作の人々の数十世代あとの人々の物語です。
あ、前作を読んでいない人のために付け加えると、ここの人は地球人型の異星人です。

前回には無かった能力があったり、生活様式が独特になっているところも、興味の持てるところです。
もちろん、主人公の恋も描かれていますが、今回、SFに加えてミステリ要素も加わっています。

面白いところは他にもたくさんあります。
前回の悲しみが払拭されたのが、一番うれしいところでしょう。
それに、この異星人の由来というのも・・・おっと言いすぎてしまいましたね。

とにかく前作を読んでいない人は、それとこの本を持ってレジに急げ!と言いたいところでしょうか。
おすすめです。

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