こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『家族スクランブル』田丸雅智

2015-06-30 19:31:30 | 読書感想
炭に火が付かず困ってお隣に火を分けてもらいに行くと、珍しいランタンを見せてもらうことになった。
「隣のランタン」
息子の歯並びが悪いのは、日本各地にあるおまじないのせいだった。
「歯並び」
お馬さんごっこが上手なお父さんは、特殊な仕事のため出張中。
久しぶりに帰ってきたお父さんは。
「お馬さん」
金魚による花魁道中にのめり込んだお隣の二郎さんがやったこととは。
「おいらんちゅう」

ほのぼのしたもの、愉快なものから、不気味な話まで、家族にまつわるショートショートが収録されています。
この他に、私が気に入ったのは「干ガキ」「カエルガム」「母の米」「惑星釣り」「吸血木」「常秋」「幸茶」です。
面白かったですよ。
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『学園天国』五十嵐貴久

2015-06-29 19:30:31 | 読書感想
私立聖風学園に通う三年一組の池上慎也と新任の英語教師・高岡麻美は、学校に内緒で結婚している。

聖風高校は元々自由な校風だったが、最近の少子化による生徒減少により少数精鋭の進学校を目指し、方向転換をはかっている。
それにより生徒への生活指導が小学生相手のように厳しくなり、学生にふさわしくない者は辞めさせようとしている。

あまりにも行き過ぎていると思う麻美は、教頭などのパトロールの場所を慎也を通じて当人たちに伝えていた。
実は、生徒ばかりではなく学校自体に危機が迫っていたのだ!

内幕も、その黒幕も、読者にはちらちらと見せてハラハラさせてくれます。
私も「麻美、そいつを信じちゃだめ!」と思いながら読みました。
面白かったです。
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『糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ』吉永南央

2015-06-28 19:28:29 | 読書感想
杉浦草が紅雲町のはずれ、昭和四十年頃にぎわっていた長屋式店舗の一角「ヤナギ」で真田紐を買おうと向かったところ、五十川電器の前でロールスロイスにひかれかけた。
草はかろうじて無事だったものの、家電メーカーのマスコット「ドリーム坊や」に倒れ掛かり、壊してしまった。

「ヤナギ」の改装にまぎれて、様々な人の欲望と思惑がいきかい、あるべき善意がすれ違う。

多くの人々の努力と幸運で物事は収まりましたが、佐々木は本当に地に足をつけた人生を歩めるのでしょうか?
草さんは信じるそうですが、私はどうも怪しいと思ってしまいました。
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『恐怖の緑魔帝王』芦原すなお

2015-06-27 19:30:49 | 読書感想
少年探偵団の団員・井上一郎君と野呂一平君が緑ずくめの老婆におどされてから間もなく、港区白金の湧水健太郎氏の邸宅に、怪人二十面相から雪舟の絵と令嬢を盗むという予告状が届いた。
しかし当日、その二つのお宝を盗んだのは、緑魔帝王という第二の怪人だった。

彼は怪人二十面相を敵視し、出し抜くことを第一義としているようだった。
明智探偵が留守のさなか、小林少年たちは彼らを捕まえることができるのか?

何というか、小林少年や警察、明智小五郎ばかりか二十面相や緑魔帝王もコケにしていますね。
いいのでしょうか?こんな能天気な結末で。
まあ、そこが笑えていいのですがね。
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『おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー』夢枕獏

2015-06-25 19:26:40 | 読書感想
安倍清明が子どもの頃のこと。
師匠の賀茂忠行が乗る牛車のおつきとして牛の前を歩いていると、前から鬼の群れがやってくるのを見つけてしまった。

絵本なので、大人にはさほど怖く感じられませんが、子どもにとっては怖いながらも自分とあまり変わらない年頃の清明の活躍を、期待する物語になっているのではないかと思います。

怖い話が好きなお子さんにお勧めです。
とはいえ、子どもによっては夜が怖くなりそうなので、ご注意!ですね。
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