こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『怪盗不思議紳士』我孫子武丸

2018-05-27 19:35:01 | 読書感想
第二次大戦前、決して人を傷つけず、政治家や資本家からしか盗まない不思議紳士と呼ばれる盗賊がいた。
戦争がひどくなるにつれ犯行は鳴りを潜めていたが、戦後となり、再び現れた時には、人殺しも辞さない強盗集団となったようだ。

「義賊」とも呼ばれた時代から彼らと対決していた探偵・九条響太郎が、戦災孤児だった草野瑞樹を探偵助手として雇い始めてしばらくして、とんでもない事件が起きた。
そして、新たなる予告状が届く。

あとがきを読んで驚きました。
この作品は、まず、声優の関智一さん主催の劇団「ヘロヘロQカムパニー」のために、我孫子さんが脚本として書かれたものだったのですね。

戦後の混沌とした世の中を舞台に、怪盗と探偵が対決する。
時代は古いかもしれませんが、今でも読んでいてワクワクするテーマですよね。
しかも、怪盗の正体が思いがけない人物で、未だに私も古い偏見に支配されていると、少々反省しました。
とても面白く、そのお芝居もちょっと観たかったです。
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春風亭一之輔独演会

2018-05-26 20:21:40 | 落語
北九州市民寄席主催の春風亭一之輔独演会のため、男女共同参画センタームーブに行ってきました。

その前に、そろそろ限界にきていた髪の毛を切りに美容院に行き、疲れがたまっていたのか眠りながら切ってもらいました。
美容師のお兄ちゃん、ごめんねー起きていようと努力はしたんだけど、睡魔に勝てなかったわ。

次に、眼がチカチカヒリヒリするので眼科に行き、ヒアルロン酸点眼薬を処方してもらいました。
またしばらく、コンタクトレンズは中止です。
大概、目薬もたびたび刺して大事にしているつもりなのですが、ドライアイがひどすぎるのかなあ?

そして、丁度早めの昼食という事で、何年振りかなあ?ラ・パペリーナに行き、パスタとティラミスとアイスコーヒーをいただきました。
とっても美味しくいただきました。
ぱすたはこちら↓

ティラミス久しぶりでした↓


そろそろかな、と思い、ムーブにバスで移動。
到着したら、開場まで1時間早かったです。
1階に休憩できる椅子が多かったので、チラシをみながらのんびり待ちました。

本題に入りますが、今回、独演会とはいえ、本当に一之輔さんだけの落語会でした。
チラシに載っている事もあってか、お弁当は東筑軒のかしわめし(二段)だとか、落語会が終わったら北九州空港からスターフライヤーで東京に帰ってしまうとか、枕噺も楽しく良かったのですが、前座さんがいらっしゃらないのは、予算が少ないからかなあ?とトンボ返りも含めて考えてしまいます。
一之輔さんだけというのも嬉しくはありますが、前座さんか二つ目さんの噺を聴くというのも楽しみだったりします。

ちなみに今日の演題は、「かぼちゃ屋」「あくび指南」仲入りがあって、チケットの半券を使ったサイン色紙の抽選会があり、「こんにゃく問答」で終わりました。
今回の「あくび指南」では、わざわざあくびを習いに行く理由について語られていて、なるほどーそういう理由もありだなと感じました。
あと「こんにゃく問答」を生で拝聴するのは初めてだったのですが、内容を知っていても、問答の場面は笑えます。
じゃなくても、今回の独演会は観客の方々の笑いが多く大きかったような気がします。

で、独演会が終わり、ロビーに演題が書かれていたので見に行ったら、あらびっくり?こんにゃくを漢字で書いていました。もしかしてお手本無しに書いたのでしょうか?私は、読めてもそらでは書けません。
こんな感じです↓


今日は色んな意味で充実した一日でした。
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コミックス『宮廷画家のうるさい余白1』久世番子

2018-05-24 19:33:40 | アニメ・コミック・ゲーム
番子さんの新しい作品です。
あとがきによると、スペイン宮廷画家ベラスケスをモデルにした架空の人物を主人公にした、との事ですが、なかなか面白く、お茶目な人物で、今後、自画像を破きまくっていたスペイン王女イザベル姫の先々の事が描かれるのかどうかも含めて、続きが楽しみです。
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『オリンポスの郵便ポスト』藻野多摩夫

2018-05-23 19:39:55 | 読書感想
舞台は火星。
長距離郵便配達員として働くエリスは17歳。

この星には、オリンポス山にある郵便ポストに手紙を入れると、亡くなった人に届けてくれるという伝説がある。
そのため、時々郵便ポストにオリンポス山の郵便ポスト宛ての手紙が投函されるのだ。

ある日、エリスのいる郵便局に、ジャン・クロ・メールと名乗るレイバーが現れ、自分自身をオリンポスの郵便ポストに届けて欲しいと言った。
その理由について、彼は、自分の死に場所を探していると答えた。

初っ端から発言が重すぎるクロですが、何でも思ったことを言ってしまうエリスが緊張感を緩和してくれるため、なかなかいいコンビだと感じます。
それに、隕石による大規模な災害と半世紀に渡る内戦の爪痕が残る火星を踏破するには、この二人で丁度いいくらいです。

この本では、クロがエリスに希望を託し去ってしまいましたが、続編もありますし、希望を持ってもいいのかな?と考えています。

星雲賞参考候補作に選ばれているだけあって、納得の良質SF、かつ、電撃文庫にしては活字が小さく改行も少ない読み応えのある作品です。

とても楽しく読めました。
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『空に咲く恋』福田和代

2018-05-21 19:55:54 | 読書感想
外見はいいが内向的だった少年・三輪由紀には、幼い頃から近づいてくる少女が多かった。
また、由紀の姉・京は、マイペースで自分が欲しい物は弟の物でも取り上げるような少女だった。

そんな由紀は、やはりいつものように彼の外見に惹かれて付き合い始めた少女に振られ、それ以来、女性アレルギーになってしまい、ついには実家を飛び出してしまった。

流れ流れてたどり着いたのは、新潟県山古志。
地元に住む猪貝久造さんの弟がかつて住んでいた古民家を、久造さんとご近所の手伝いをする事と引き換えに、無料で貸してくれる事となった。

ところがある日、交通事故の手助けをしたのが縁で、実家の稼業と同業の人々と交流を始める事となった。
その中の一人・清倉ぼたんさんには、女性であるにも関わらず、触られてもアレルギーが出なかった。

多分、由紀は、姉の唯我独尊ぶりと少女たちの自分勝手さが嫌になったものの、それを外に発散しなかったから、アレルギーになってしまったのでしょうね。
と、勝手な分析は置いておいて、回り道にはなりましたが、由紀の流浪やそこで培った多くの人々との交流が、彼の今後の作品に実りとなって現れてくるような気がします。

割とミステリやSFの多い福田さんですが、こういう作品なら、一般的に楽しんでいただけるんじゃないかと感じました。
お薦めします。
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