「教員異動と離任式問題」というのを書いたけれど、それは「年度末特番」みたいな気持ちだった。でも書いてるうちに長くなって、一番書きたいと思っていたことを忘れてしまった。そこで簡単に続きを書きたい。何を忘れたかというと、東京の教員異動特集は読みにくいということである。東京新聞の別刷にはぼうだいな人名が掲載されていて、ほぼ全員の名前を知らない。その中から知ってる名前を見つけるということは、大海の一滴を求めるような作業になる。
(2021年の東京新聞教員異動特集)
何で判りにくいかというと、理由は二つあって、一つは東京の教員数が多いということだ。一体何人ぐらいいるのかということは、統計をホームページで調べることが出来る。毎年5月1日付で調査があって、各都道府県教委が文科省に報告するのである。それを見てみたら、2021年には、全部でおおよそ8万3千名近く。小学校3万6千人、中学校2万人、高校1万9千人、特別支援6千名といったところ。他に中高一貫校、小中一貫校は別扱いで、それぞれ5百名ほど。
東京は教員の異動年限が原則的に3~6年と異様に短い。まさか全員が6年で皆異動するわけでもないだろうとは思う。(職階を変える「自校昇任」や学年途中だと校長具申で残留することも多い。)そうなると、東京だけで毎年教員が1万人以上移り変わっていることになる。もっとも「退職者」は校長を除いて発表されないから、異動者の実数はもっと減るはずである。新規採用教員の名前は掲載されないから、異動特集に掲載される人数はもっと少なくなる。それでも数千名にはなるだろう。まあずっと小学校教員だった人は、高校の異動欄は見ないわけで、実際は自分の関心があるところだけ見るわけだ。
もう一つの読みにくい理由は、あまりにも複雑な職階制度が導入されたことである。僕が教員に採用された頃は、「校長」「教頭」「教諭」だけだった。もちろん他にも「実習助手」「寄宿舎指導員」があるのだが、(中学勤務時は)自分に関係ないから見ないわけ。ところが今は「校長」のところに「統括校長」というのもあって、それから「副校長」、「主幹教諭」「指導教諭」「主任教諭」「教諭」に分かれている。以下の図にあるような完全な「ピラミッド型」である。
(東京の教員の職階制度)
異動年限が短いことと、このような職階制度を作ることは、同じ発想から来ている。つまり「職員集団」の力を弱めて、上意下達型の学校組織に変えるという方向性である。主幹制度を導入すると、学校がいかに素晴らしくなるか、当時の都教委はチラシを作って大宣伝したものだ。学校内部にではなく、都民向けにである。そして果たしてどこがどう変わったのかと思うけど、今はそのことを書きたいわけではない。異動特集でも「主幹教諭」「指導教諭」「主任教諭」「教諭」ごとに掲載されているから、あまりにも探しにくいのである。生徒も親も、担任や部活顧問が主任教諭か教諭かなんて知らないだろう。どうやって探せばいいのか。
それを言えば、その前に教員異動特集は「現任校」、つまり転勤先ごとにまとめられている。教員生活が長くなるに連れ、知り合いが増えてきて、あの人が今度の校長か、あの人は今度副校長になったのかなどと思う。だから最初の最初に校長から始まっていても違和感を感じない。でも多くの新聞読者、生徒や親にはそんな情報は二の次だろう。一番知りたいのは、担任や部活顧問、そして教科の教員だった教師が、転勤したかどうかである。まあ、転勤してくれて嬉しいという場合もあるだろうが。だから、3月まで勤務していた前任校ごとにまとめて欲しいと思うわけである。
これは元の異動一覧データを教育委員会から貰って、それ通りに掲載した情報である。人名の誤植がないかどうかの確認だけで、新聞としては手一杯だろう。(それでも通称使用の教員も、戸籍名で掲載されたりして誰だか判らなかったりする。)だから、もうどうしようもないのだが、僕は何とか「逆引き」の異動特集が欲しいと思うのである。僕が思うに、元のデータをエクセルで作成して、ダウンロードしてソート可能な状態でホームページに載せれば、知りたい人は前任校ごとの情報に変えられるだろう。
(離任式の花束)
ところで、もう一つ思い出したので書いておきたいことがある。もう10年ぐらい前の話だから、今はどうなっているか知らないが。それは「離任式の花束のお金の出所」である。「離任式」と打ち込んだだけで、「花束」と変換予測が出て来る。学校だけじゃないだろうが、離任者に花束を贈るのは社会的通念だろう。離任式は正式な学校行事である。だから、当然花束代は公費負担だと思ってきた。問題は「誰が誰先生に渡すのか」で、生徒会担当として生徒会役員や部活代表などに上手に割り振るのが仕事である。でも、ある年から花束の公費負担はまかり成らぬとされた。花束は離任教員個人の所属になるから、公費で購入するべき性格の支出ではないというわけである。意味判らんと思った記憶があるが、今もそうなんだろうか。
(2021年の東京新聞教員異動特集)
何で判りにくいかというと、理由は二つあって、一つは東京の教員数が多いということだ。一体何人ぐらいいるのかということは、統計をホームページで調べることが出来る。毎年5月1日付で調査があって、各都道府県教委が文科省に報告するのである。それを見てみたら、2021年には、全部でおおよそ8万3千名近く。小学校3万6千人、中学校2万人、高校1万9千人、特別支援6千名といったところ。他に中高一貫校、小中一貫校は別扱いで、それぞれ5百名ほど。
東京は教員の異動年限が原則的に3~6年と異様に短い。まさか全員が6年で皆異動するわけでもないだろうとは思う。(職階を変える「自校昇任」や学年途中だと校長具申で残留することも多い。)そうなると、東京だけで毎年教員が1万人以上移り変わっていることになる。もっとも「退職者」は校長を除いて発表されないから、異動者の実数はもっと減るはずである。新規採用教員の名前は掲載されないから、異動特集に掲載される人数はもっと少なくなる。それでも数千名にはなるだろう。まあずっと小学校教員だった人は、高校の異動欄は見ないわけで、実際は自分の関心があるところだけ見るわけだ。
もう一つの読みにくい理由は、あまりにも複雑な職階制度が導入されたことである。僕が教員に採用された頃は、「校長」「教頭」「教諭」だけだった。もちろん他にも「実習助手」「寄宿舎指導員」があるのだが、(中学勤務時は)自分に関係ないから見ないわけ。ところが今は「校長」のところに「統括校長」というのもあって、それから「副校長」、「主幹教諭」「指導教諭」「主任教諭」「教諭」に分かれている。以下の図にあるような完全な「ピラミッド型」である。
(東京の教員の職階制度)
異動年限が短いことと、このような職階制度を作ることは、同じ発想から来ている。つまり「職員集団」の力を弱めて、上意下達型の学校組織に変えるという方向性である。主幹制度を導入すると、学校がいかに素晴らしくなるか、当時の都教委はチラシを作って大宣伝したものだ。学校内部にではなく、都民向けにである。そして果たしてどこがどう変わったのかと思うけど、今はそのことを書きたいわけではない。異動特集でも「主幹教諭」「指導教諭」「主任教諭」「教諭」ごとに掲載されているから、あまりにも探しにくいのである。生徒も親も、担任や部活顧問が主任教諭か教諭かなんて知らないだろう。どうやって探せばいいのか。
それを言えば、その前に教員異動特集は「現任校」、つまり転勤先ごとにまとめられている。教員生活が長くなるに連れ、知り合いが増えてきて、あの人が今度の校長か、あの人は今度副校長になったのかなどと思う。だから最初の最初に校長から始まっていても違和感を感じない。でも多くの新聞読者、生徒や親にはそんな情報は二の次だろう。一番知りたいのは、担任や部活顧問、そして教科の教員だった教師が、転勤したかどうかである。まあ、転勤してくれて嬉しいという場合もあるだろうが。だから、3月まで勤務していた前任校ごとにまとめて欲しいと思うわけである。
これは元の異動一覧データを教育委員会から貰って、それ通りに掲載した情報である。人名の誤植がないかどうかの確認だけで、新聞としては手一杯だろう。(それでも通称使用の教員も、戸籍名で掲載されたりして誰だか判らなかったりする。)だから、もうどうしようもないのだが、僕は何とか「逆引き」の異動特集が欲しいと思うのである。僕が思うに、元のデータをエクセルで作成して、ダウンロードしてソート可能な状態でホームページに載せれば、知りたい人は前任校ごとの情報に変えられるだろう。
(離任式の花束)
ところで、もう一つ思い出したので書いておきたいことがある。もう10年ぐらい前の話だから、今はどうなっているか知らないが。それは「離任式の花束のお金の出所」である。「離任式」と打ち込んだだけで、「花束」と変換予測が出て来る。学校だけじゃないだろうが、離任者に花束を贈るのは社会的通念だろう。離任式は正式な学校行事である。だから、当然花束代は公費負担だと思ってきた。問題は「誰が誰先生に渡すのか」で、生徒会担当として生徒会役員や部活代表などに上手に割り振るのが仕事である。でも、ある年から花束の公費負担はまかり成らぬとされた。花束は離任教員個人の所属になるから、公費で購入するべき性格の支出ではないというわけである。意味判らんと思った記憶があるが、今もそうなんだろうか。