星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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妖精本

2010-08-12 | 文学にまつわるあれこれ(妖精の島)
このところ、 またふつふつと本を読みたい熱が高まっていて、、 ずっとおざなりの本の話もたまには書いていこうか、、と。 、、と言うものの、 ちゃんと読書記とか書こうとすると結構時間がかかるので 写真でごまかしてしまおう。。。



私は妖精さんの姿は 見たことはありません。。 けど、、 街を歩いていて 自分にまとわりつくようについてくる揚羽蝶や、 足元でからからと渦を巻く枯葉の輪舞を見た時などには、 妖精さんに出会ったと思う事にしています。 あと、、 家の中で パキーン!と物音が鳴ったり、 光が走ったり、、ね、、 ポルターガイスト現象て言うんでしたっけ? 、、 他にいわゆる「虫の知らせ」、、というような事には何度も遭遇してるし。。。

なんて書くと、 なんだかオカルティックな人間のように思われるかもしれないですけれど、 偶然なら偶然でよし、、 日本的に言えばご先祖さまの霊の仕業でもよし、、 ケルト風に言えば妖精さんの手伝いでもよし、、 不可思議な体験は不可思議のままに。。。

それに、 妖精さんの登場する物語があることだけで世界が豊かになりますもの。 、、
一番最初に出会った妖精の種族は、 たぶんムーミントロールですけど、 誰もムーミンが妖精だなんて考えてなかったですよね、、 それから やっぱり「指輪物語」。 私は、 翅の生えたシェイクスピア風のフェアリーよりも、 森を音も無く駆け回る長身のエルフに惹かれますが、、(レゴラスのような)エルフの概念って、 トールキンが完成させたもので、 ケルトの伝承や、北欧神話などの中には あのような人間の美しい部分だけを凝縮したような「エルフ」って、 じつはあんまりいないんだと知った時にはちょっと しゅん、、でした。
 

イギリスの妖精―フォークロアと文学/キャサリン・ブリッグズ著 石井美樹子・山内玲子訳 筑摩書房

妖精 Who’s Who/キャサリン・ブリッグズ著 井村君江訳 ちくま文庫

ケルトの薄明/ウィリアム・バトラー イエイツ著 井村君江訳 ちくま文庫

ケルト幻想物語/ウィリアム・バトラー イエイツ編 井村君江訳 ちくま文庫

隊を組んで歩く妖精達―其他/ウィリアム・バトラー イエイツ編 山宮允訳 岩波文庫

少しだけ読むなら、 いろんな妖精の種類を絵つきで解説した『妖精 Who’s Who』と、 イエイツ先生が詩的な言葉でケルトの不思議な伝承や妖精たちへの想いをつづった『ケルトの薄明』がおすすめ。

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文学とは、 象徴と出来事という道具を用いて、 そのときの情緒を表現することではないだろうか。 この荒廃した現世と同様に、 天国や地獄、 煉獄や妖精の国を表現するために必要とするのは、 情緒ではないだろうか。 いや、 あえて天国や地獄、 煉獄や妖精の国を一緒に混ぜてしまおうとしたり、 怪物の頭を人間の体につけようとしたり、 人間の霊魂を岩の中心部に入れようとする人がいなければ、 表現が見出せないのも情緒なのではないだろうか。 話の語り部よ、 心が望む餌食はなんであれ捕らえて、 恐れずに続けていって欲しい。 すべてのものは存在するのだし、 すべてのものは真実なのだ、 この地上はわれわれの足の下の小な塵に過ぎないのだ。
         (『ケルトの薄明』1話の語り手 より)

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イエイツ先生の言葉のとおりだと思います。 、、だから、 鬼太郎の妖怪たちも可愛いし、 エイリアンだって、 ドラゴンだって、、 ゾンビだって(笑)、、 好きです。

、、この秋は 『指輪物語』10巻、、 もう一度読もうと思います。 、、あぁ、、エルフになりたい。。。 ならずとも、、 エルフに 逢いたい。。


オシァン―ケルト民族の古歌/ 中村徳三郎訳 岩波文庫
、、 一緒に写ってしまった『オシアン』は妖精物語ではありませぬ。 ケルト伝承(アイルランド&スコットランド )のバラッド。 フィン王一族(その子オシアン王子)の戦いの叙事詩、、ですね。 、、これ、 古本で買ったきり未読。 また読んだら書きましょう。