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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

四日間の奇蹟~~(読書感想文です)

2011-12-03 | インポート
「四日間の奇蹟」  「浅倉卓弥」 著

「第一回・このミステリーがすごい!」大賞の金賞受賞作品なんですが、「ミステリー」というより「ファンタジー」では・・・と思える作品で、私の好きな分野でした~~♪

映画化もされていますが、私は観ていません。
観た人の感想では「ミスキャスト」とか・・・(苦笑)。
文章から受けるイメージと、ちょっと離れた感じの俳優さんたちだったようです。

でも、ロケ地となった「監督のふるさと」の風景は、とても美しそう~~♪

この物語は最初から最後まで「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ・月光」が流れています・・・。
時には静かにひそやかに、そして軽やかにテンポ良く、やがて緩やかな水の流れに乗ったり、激しい音の饗宴となって・・・。

それは、主人公が「弾くことを奪われたピアニスト」だからなのです。


『新進ピアニストとして将来を嘱望視されていた如月敬輔は、クリスマスも近いある日、留学先のオーストリアで強盗事件に巻き込まれた日本人親子をかばい薬指を失ってしまうのです。
成り行きで両親を失った知的障害の少女・楠本千織を引き取った敬輔は、彼女を連れて日本に帰ります。

千織は、幼い時の何かの体験からか、あるいは先天性のものなのか「言葉の数が極端に少なく」「言葉を理解する能力」にも欠けているのですが、ただ「音」に対する反応は非常に優れていた。特に敬輔の弾けなくなったピアノの才能がするどく、それを見出した彼は、彼女と各地を演奏して廻ることとなる。

そうして招待された療養センターで敬輔たちは敬輔の高校時代の後輩だった岩村真理子と出会う。
真理子と親しくなっていく敬輔・千織だったが、落雷による事故に巻き込まれて真理子は意識不明の重傷を負う。

苦しみから逃れたいと、自分の心の中に他の人格を作り上げて逃避する・・・「多重人格」だったとみられる千織。
その一人が「真理子」という名前であったために、その真理子の心が千織に宿ってしまったのです。

真理子に与えられた期間は4日間。
最期の時が来るまで真理子は敬輔と共に自分の人生を見つめ直していくこととなるのです』

豊かな穏やかな心で神様の元に行った真理子。
事故から四日後、意識を回復した千織の心、脳の力の変化。
再びピアノに向かう勇気を持った敬輔。

ハッピーエンドになるのだろう・・・とは信じていましたが、予想通りでほっとしました~~♪