「鍵」 乃南 アサ 著
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ミステリー畑の作家とばかり思っていた乃南氏。
この本もそんな分野かなと思い、読み始めました。
もちろん、ミステリーとしての分野ははずしていないのですが・・・、
「家族の再生物語」という意外な展開になっている内容でした。
もうすぐ物語が終わろうとする頃には、読みながら「涙」が出ました・・・。自分でもよく分からないのですが、なぜか「試練を乗り越えられた兄・妹」の今後にほっとしたせいかも(苦笑)。
《 10ヶ月の間に、母と父を亡くした姉・兄・妹の三人兄妹。
聴覚障害を持つ妹を守るために「母は疲れていた。それが死を早めた」と考える兄と、「自立しなければ」と考える妹。
一番上の姉は、二人のために「しっかりもの」で生きていくことを考えている。
母の死をきっかけにギクシャクし始めた兄妹が、
「近所で連続して起きる、通り魔事件」に巻き込まれていくのです。
この事件は、やがて「殺人事件」にまでなるのですが・・・、
きっかけは、
電車で帰宅途中の妹のカバンに、知らぬ間に「ひとつの鍵」が、押し込まれたことなのです。
事件を解決するための大きな役割を果たすのが、兄の幼馴染の友人なのですが、彼の勇敢で温かい心と、仕事への情熱が、兄妹の心の通い合いの橋渡しともなるのです。》
「障害もひとつの個性」として認める人たちが、何人も登場してくれる本~~本当に嬉しかったです~~♪
涙は、そのせいもあるかも~~(苦笑)。