prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

ビューティ・パーラー(11)

2004年10月01日 | ビューティ・パーラー(シナリオ)
○ 表
鮫島「(携帯で)おい…おい」
      ×     ×
走るのにかまけて、携帯に出られない犬山。
      ×     ×
鮫島「抜け駆けする気かっ」
裏にまわる。
と、どっとつられて他の群衆も追ってたちまち裏にまわりだす。
卯川と笈出、群衆を押しとどめるふりをする。
しかし、いったん始まった流れは止まらない。
たちまち、嘘のように店の前に人はいなくなる。
すばやく目だたないように姿を消す和田。
○ 裏
どっとやってきた人の壁に阻まれる逃げた二人。
一斉にライトが当てられる。
照らし出される畠山。
突きつけられるカメラとマイク。
畠山「なんですか」
その連れの隠した顔を見ようとする野次馬たち。
それを割って前に進み出てくる野村。
野村「(仕切ろうとする)はい、押さないで」
と、畠山に代わって連れに寄り添うようにする。
畠山、逆らわず野村に場所を譲る。
野村を囲む好奇心に満ちた顔・顔・顔。
ライトとカメラが集中して得意満面な野村。
…突然、まわりのざわめきが潮が引くように治まる。
不思議そうな野村。
野次馬たちがみんな引いている。
野村、ふと連れの方を見て、ふっとぶ。
(秋月の姿は、OFFで想像に任せる) 犬山「(カメラを叩きつけ)くそっ、またかっ」

○ 表
和田、車を回してくる。
和田「(ドアを開け)乗って」
人はほとんどいなくなったというのに、舞台から花道を辿るように見栄をきって退場していく笈出と卯川。
また群衆が戻ってくる。
笈出「行って」
卯川、一瞬躊躇するが、笈出にキスし、身を翻して車に乗り込む。
笈出、いささか驚くが、すぐぴしゃりとドアを閉め、くるりと群衆に向き合う。
走り去る車。
卯川はずっと振り返っている。
和田、運転しながらガッツポーズをとっている。
群衆はちらほらと戻ってくる。
身構える笈出。
しかし、もう笈出に構う物好きはいない。
傍らを通り過ぎていく人々。
笈出、店に戻っていく。
      ×     ×
散っていく群衆。
      ×     ×
ほうほうのていで逃げていく野村を追う秋月。
やがて、追うのをやめ、仁王立ちになって大笑する。

○ 店内
笈出、表の戸締まりをする。
一方、裏から畠山・小牧が戻ってくる。
畠山「どうだった」
小牧「成功です」
畠山、金色の取っ手がついたハサミを持ってくる。
笈出「…(どきっとする)」
畠山、冗談めかして笈出の左胸をハサミで刺すようなふりをしてから、胸ポケットに入れる。
畠山「負けたよ。
はなむけだ」
笈出「ありがとうございます」
笈出、ハサミを受け取り、頭を下げる。
畠山「それとも、縁切りのしるしかな」
笈出。
畠山「(小牧に)ところで、人を騒がせるの、好きでしょ」
小牧「そうだけど」
畠山「ひとつ、また騒がせてみませんか」

○ エンド・タイトル
卯川を世話している笈出の写真が、いくつもの雑誌のグラビアを飾っている。
新しく出した自分の店の前で腕組みしている笈出の記念写真。
店内に飾られている、かねて笈出が用意していた自分の写真。
      ×     ×
小牧がおしゃれな主婦代表という感じでグラビアに登場している。
小牧を世話している畠山。
      ×     ×
男に戻って笈出の世話になっている秋月。
      ×     ×
ゲイバーでゲイたちといやに嬉しそうに一緒にいる写真週刊誌に載っている野村。
<終>

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「モンスター」

2004年10月01日 | 映画
ヒロインが子供の時、観覧車を「モンスター」と呼んでいたのが、後に観覧車にクリスティーナ・リッチと一緒に乗って恍惚としたり(それをわざわざ押していない演出)、弟妹のために売春していたのが後でばれて家を追い出されたという身の上話が、後でリッチに裏切られるラストにつながってきたり、ずいぶん考えられた構成。

頭から売春婦と見下して人間扱いしない男たち(女も)の不快さ。初めのうち、まともな男は殺さないでいたのが、最後には親切な老人(スコット・ウィルソン)まで手にかけてしまうエスカレーションは、実にイヤだが他にありえないと思わせる。アメリカは15%が世界的な水準で極貧だというが、そういうテレビや映画では、ほとんどいないことになっている層を描いているよう。

警察が仲間を殺された途端本気で捜査を始める。それまでナニやってたの。

ウィルソンとか、ブルース・ダーンとか70年代に活躍した役者がずいぶん老けた。シャーリーズ・セロン(いかにもアカデミー賞、という熱演)のメイクの凄さを考えるとこっちもメイク、ということはないか。エンド・タイトルを見ていたら、ダーンにちゃんとアシスタントがついていた。

写真は満員のため非常口から出された渋谷シネマライズの4階から撮ったPARCO前。
(☆☆☆★★★)


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こんな夢をみた

2004年10月01日 | Weblog
一晩に二つ、もっと見た気もする。
女が部屋の柱の後ろに手を入れて埃を触ると、その埃に引きずられて床の上を走り、走っているうちに女自身すりきれて埃になってしまう。
宙の無数の金属製みたいな球が浮いている。組成を調べようと地面の上で爆破すると、やはり無数の小さな球が浮くようになる。