prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ルパン」

2005年09月06日 | 映画
良くも悪くも凝りっぷりを見る映画。
三つの十字架の仕掛けや、誰の言うことが本当かわからない駆け引き、奇厳城や813がどう出てくるか、あるいはルパンの代名詞のような変装のメイク技術やストーリーへの生かし方など、ルパンの時代の古風な探偵小説趣味あるいは伝記趣味の再生は楽しめる。ただし、カリオストロ伯爵夫人の謎の解き方は納得しがたい。
豪華な美術、衣装、特に宝飾品は見応えあり。

クライマックスの後、また再出発するようなストーリーは社会派がかったところも含めて、飛躍しすぎている観。ルパンが決して「人を殺さない」という点をポイントにしたかったのだろうが、逆に映画はいささか殺しすぎ。
(もっとも最初の方にちらっと外人部隊にいたのでは、という台詞があるが、原作で外人部隊にいて現地人を殺している話があったような気がする)

ルパン役のロマン・デュリスはいささか濃い顔で、顔の形が三世に似ているみたい。
全体にスマートさやエスプリといった感じは薄い。代わりに爆発シーンとか、ハリウッドに対抗したような大がかりな作りが売り。今どきの作りだとこうなるのですね。
(☆☆☆★)



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ニューオーリンズの台風と、南米の洪水

2005年09月06日 | Weblog
ニューオーリンズの台風の被害の映像を見ていて、前にこれに似たもの見たことあるな、と思った。映画「ラテンアメリカ 光と影の詩」で、洪水で水没した南米の街がえんえん何百キロも続いている光景だ。あれは合成ではなくて、実際に毎年起こる洪水の光景を撮ったものだというが、ラテンアメリカ文学的な誇張されているようで実は現実に忠実なリアリズム(というのも妙だが)によるものだった。
映画で政治家がなぜか水カキをつけた姿で出てくるのを思い出すと、妙にそこもニュースの光景とだぶってくる。ライス長官なんて、妖怪じみてると前から思ってたものね。
南米ではニュースにならないほど、もっと日常的に似たような南北の貧富の格差と差別があるということか。
1999年の統計で、アメリカの人口の13.3%は世界的水準で極貧の生活をしていると聞いたことがあるが、それを見せつけた観。
http://kyoto.cool.ne.jp/jiangbo/china/inter/inter028.htm
アメリカのテキサス在住の親戚に聞くと、続々と避難民が移動してきているとのこと。