prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「容疑者・室井慎次」

2005年09月28日 | 映画
仇役の弁護士軍団の描写がまるでダメ。
警察の暴走を抑えるための法の適切な手続きを悪用しているという設定なのだが、その“適切さ”の解釈というのはもちろん一つではなく立場によって変わるのであって、一方的に弁護士によって決められるものではないのは、犯罪者の処遇が警察によって勝手に決められるものではないのと同様。
そこを一方的に弁護士の悪知恵によって決められるかのような描き方は、俗な“エセ人権派”弁護士の悪イメージにおもねた観の強い、本当に悪といえるほどの論理的徹底性を持たないあまりに一面的な造型。その表面的な不快さをキャラクター設定でも芝居でもやたら煽るものだから、見ていて本当に不愉快になる。

弁護士が馬脚をあらわす場面の段取りのお粗末さといい(こいつ、本当に東大出てるのか)、犯人の動機のチャチさといい、大山鳴動してネズミ一匹というのは全編の狙いでもあるようだが、観客までチンピラに振り回させるような真似はやめにして欲しい。バカにされた気分になる。

教会と法廷を混ぜたような不思議なデザインの警察署。
(☆☆★)



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エンケン祭り

2005年09月28日 | Weblog
冒頭、するするとステージにスクリーンが下がって来て、映画「不滅の男 エンケン対日本武道館」の予告編が流れる。コレが本編で使われていないカットががんがん使われているもの。
終わってから、やおらリアル・エンケン登場。
後ろに富士山をしょって熱く歌いに歌うのだが、なんだか妙に冷めているのは、それを撮影しているカメラマン二人。手持ちのが一人、ステディーカムのが一人。特に後者はブレを防ぐ機構だから、なおさらそう見える。

立ち見なのだが、目の前にやたら図体がでかい男が来てしまい、見ずらいったらありゃしない。しかも頭をやたら左右に振るわ、そのリズムが合ってないわ、ついでに汗臭いわで、かなり災難。

合間にスクリーンが降りて来て、エンケンが遊園地のあらかわ園の乗り物に乗っている映像が映写されたりする。それはそれで面白いのだが、いささか装置転換に時間がかかるのは有難くない。