prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「子ぎつねヘレン」

2006年04月26日 | 映画
よく子ぎつねに演技させている。苦しんだり倒れたりぐったりしたりといった演技もあるので、どうやったのか、不思議なくらい。

子供と動物が揃ったら最強みたいなはずだが、ヘレンに対する子供の関係が、ヘレンが聾唖のために子供に対する大人のようになっている(ヘレン・ケラーに対するサリバン先生に喩えられたりする)ので、そうなると子供が一方的にヘレンのことを自分だけわかったつもりになっているのがいささか一人合点に見える。「子供らしい」思い込みに終始してしまうわけにいかないはずの話だからだ。

実際ヘレンの病状は思い通りにはいかないのに、それを学んだり理解しようとしている様子があまりなく、とにかくわかっているのは自分だけという態度なのはどんなものだろうか。
「他の」命に対しては、つまるところどうしようもない、という畏れが薄い感じがする。ヘレンが幸せであって欲しいと願うのはいいけれど、それは本当は決してわからないことなのに。

前半、変なメルヘン調のシーンがCGを交えて入ってくるのが、ひどく違和感がある。なんのつもりだろう。

子供が母親の留守中、その許可も得ずに赤の他人の獣医のところに住んでいるのに、警察が知っていてまるで無頓着というのはひっかかった。後半にも入って獣医と母親が元同級生というのがわかるが、それを警察や母親が知っていたわけではない。そんなのは、早いうちにきちんと設定しておくことだろう。なぜあんなに設定を知らせるのを遅らせたのか、理解に苦しむ。
(☆☆★★★)



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