prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「サイレントヒル」

2008年06月09日 | 映画
原作がどんなものなのか、ゲームは全然やらないので知らないが、前半は雰囲気優先でか見た目にグロテスクな見せ場や脈絡のない展開が続くが、後半になって子供を守ろうとする母親が父親のいない女の子を魔女だといって火焙りにしてきた狂信者たちと対決する構図がはっきりして、かなり盛り上がる。白い霧がかかったようなヴィジュアルや音響効果も力が入っている。
代わりにショーン・ビーンの父親役のしどころがまったくなくなってしまい、ストーリー上も脱線気味。

狂信者のリーダーの女教師の方がよっぽど魔女に見えて、視覚的なグロテスクよりも子供を火焙りにしようとするグロテスクが上回り、キリスト教原理主義がいかに他に対して非寛容で殺人をも辞さないか現実に実例を見せられているので説得力もある。ちなみにこの映画の国籍はアメリカではなくてカナダとフランスの合作。アメリカでは作りにくくなっているのだろうか。ラストで荊の蔓がにょきにょき伸びてくるのは、やはりキリストのかぶった荊の冠からの連想みたい。
(☆☆☆)


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