prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「パンズ・ラビリンス」

2008年06月12日 | 映画
スペイン内戦を幻想と現実が渾然となった少女の目を通して描くという点では「ミツバチのささやき」と共通するセンスがあるが、少女がすこし歳がいっているせいか現実原則の方に傾いていて、詩的表現からはやや離れている。形にして見せてしまう方法の限界はついてまわるが、クリーチャーのデザインその他、造形美術的にすばらしい。

おとぎ話の継母より、現実のファシズムを背負った継父の方がやはり怖い。
現実と幻想の対決を描いたファンタジーは多いが、対決の激しさと結末の厳しいことでは随一。現実逃避もここでは人間性を守るための必死の試みと写る。
(☆☆☆★★★)


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