クリス・レビス、マシー・シェボウスキー共同監督による短編人形アニメーション。
第80回アカデミー短編アニメーション賞ノミネート。
メイキングによるとものすごい数の荷物の列を従えて列車を待つヒロイン、というイメージから出発した時からストーリー性の希薄な詩的な作品になるだろうと思ったらしいが、列車の中のエピソードにあまりそれぞれ関連性がなく、列車が止まったり暴走したりで、リズムが必ずしも整っているとは思えず、詩とはいっても無韻詩みたい。
ためらいや間を重視したため長さが倍以上に伸びた、という。
それにしても、何年もの間えんえんと人形をちょっとづつ動かしながらどうやってイメージを保っているのだろう。ストーリーから逆算するというわけにいかないのだし。ひとつひとつのカットの密度はすごい。
メイキングで監督たちがヒロインのことを「マンガに描かれた鹿のような女性」などと形容しているのだが、そのバックに鹿の頭の剥製が飾られているのが変な感じ。作中、鹿が列車にはねられる(らしい)シーンもあるし、いつも傷ついて過去(ものすごい量のスーツケース)を引きずっているのを、なぜかすべて盗まれてしまう。それは悲劇とも解放ともとれる。
最初の方にある、同じコンパートメントの頭上にいる二人の客がしているチェスが列車が揺れるたびに駒が動いて盤面が変わり勝手に勝負が決まってしまうというシーンが、ヒロインの「気まぐれな運命」を予告しているのかもしれない。
本ホームページ
第80回アカデミー短編アニメーション賞ノミネート。
メイキングによるとものすごい数の荷物の列を従えて列車を待つヒロイン、というイメージから出発した時からストーリー性の希薄な詩的な作品になるだろうと思ったらしいが、列車の中のエピソードにあまりそれぞれ関連性がなく、列車が止まったり暴走したりで、リズムが必ずしも整っているとは思えず、詩とはいっても無韻詩みたい。
ためらいや間を重視したため長さが倍以上に伸びた、という。
それにしても、何年もの間えんえんと人形をちょっとづつ動かしながらどうやってイメージを保っているのだろう。ストーリーから逆算するというわけにいかないのだし。ひとつひとつのカットの密度はすごい。
メイキングで監督たちがヒロインのことを「マンガに描かれた鹿のような女性」などと形容しているのだが、そのバックに鹿の頭の剥製が飾られているのが変な感じ。作中、鹿が列車にはねられる(らしい)シーンもあるし、いつも傷ついて過去(ものすごい量のスーツケース)を引きずっているのを、なぜかすべて盗まれてしまう。それは悲劇とも解放ともとれる。
最初の方にある、同じコンパートメントの頭上にいる二人の客がしているチェスが列車が揺れるたびに駒が動いて盤面が変わり勝手に勝負が決まってしまうというシーンが、ヒロインの「気まぐれな運命」を予告しているのかもしれない。
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