prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ザ・バンク -堕ちた巨像」

2009年04月09日 | 映画
オープニングの暗殺シーン、殺されて路面に倒れた男と駆けつけて車にひっかけられて倒れたクライブ・オーウェンが横たわる姿がほぼ左右対称になるので、これオーウェンの後の運命を暗示しているのかな、と思ったら別に関係ないのだね。ほか、思わせぶりの描写があとどういう意味なのかちゃんと説明しないで終わってしまうところが散見する。
断崖沿いの道を走る車を空撮で追って、トンネルに入って出てこないのをそのまま遠ざかっていくカメラワークなど思わせぶりが成功しているところもあるが、銀行とそれに結びついた権力集団の不気味さを思わせぶりに暗示するのか、派手めの見せ場でつないでいくのか、どっちにするか迷ったままみたいな作り。

それにしても、オーウェンが髪はぼさぼさ、無精ヒゲは伸びっぱなし、服はよれよれでネクタイもしていない、という格好で銀行みたいにやたらびしっとした格好をした連中ばかりがたむろする場所を出入りするというのはどんなものだろうか。反権力的な体質の表現なのかしれませんけど、当人だって一応役人だと思うのだが。
ロケ効果や美術館の銃撃戦は見もの。
(☆☆☆)


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