prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ベニチオ・デル・トロが新藤兼人監督に『映画』の話を聞いた」

2011年08月09日 | 映画
日本映画専門チャンネルにて放映。この対談は「一枚のハガキ」の準備中にされたもの。

新藤先生の話し方がかなりゆっくりになっていて(日活ロマンポルノ裁判で証人として立った時は、速記者が困惑するくらいすごい早口だったのです)、さらに実際には通訳が入ってさらに長くなっただろう話をデル・トロがすごく真面目に聞いていて、聞いている画だけでも持つのではないかと余計なことを考えながら見た。

「落葉樹」で母親と子供が一緒に風呂に入る場面がフラッシュバックするのはセックスシーンの代用表現なのですか、という質問には答えなし。すごく微妙な話ですからね。だけれど、「絞殺」で息子が母親を襲う場面描いてますから、答えるまでもないようなものだが。

デル・トロも小さい時に母を亡くしていて、共感するところがあるという。
それにしても、よく見ているし、細かい具体的な表現について聞いてくる。

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「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」

2011年08月09日 | 映画
戦争中、という設定が意外と効いていて、子供たちにも厳しい状態に置かれ忍耐を要求されるのがムリなく設定できた。
空襲を受けているロンドンの空に偵察用の気球がたくさん浮いている光景が、邦題のせいもあってピンク・フロイドの「アニマルス」のジャケットの火力発電所の上に浮いたブタの風船に見えたりする。

わがままで躾が悪くてどうしようもない子供たちがだんだん仲間意識を持ったり信頼を築いたりといった教育がなされていくのにあたって、ナニーが魔法を使って何かをしてやったり干渉したりするのではなく、子供たちに自然にやるようにしむけて身につけさせるのが当然のことなのだが、よろしい。
エマ・トンプソンは脚本を兼ねているからといって自分がしゃしゃり出るような真似はしていないのが賢明。

子供たちが課題を一つづつクリアしていくうちに、醜いナニーの顔が次第に美しくなるというのが、はっきりしないなりに何か寓意を感じさせる。

おだてられなくてもブタが木に登る珍景が見られます。CG製の動物というのはやや興ざめなのだが。
外景、室内ともにイギリスらしい古色がついた質感が出ている。

特別出演のレイフ・ファインズの部下(Addis中尉)役がエド・ストッパードEd Stoppardというのでもしやと思って調べてみたら、案の定劇作家のトム・ストッパードの息子でした。
(☆☆☆★★)

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