あまりテレビバラエティは見ないのだが、深夜アニメ「ゴルゴ13」の直前に放映していた「モヤモヤさまぁ~ず2」を見て、なんじゃこれはと思った。たださまぁ~ずと大江麻理子アナが公園で滑り台を滑るだけの図がやたらおかしかったりするのだね。
裏町を歩いていてとある人家の木戸を開けると、玄関の真正面に絵が置いてあるという図が出てきて、こんなわけのわからない(モヤっていると番組では形容される)光景が本当にあって、それがわざわざスタッフが探したのを見に行くのではなくさまぁ~ずとが東京のあまりテレビの行かない町をぶらぶらしているうちに遭遇する人や文物の、いきあたりばったりなおもしろさがメインというのはゴールデンに昇格した(だけどあまり視聴率は変わらない)今では有名だけれど、そのプロデューサーの伊藤Pこと伊藤隆行プロデューサーが監督した映画というのが、これ。
業績不振により葬儀会社に買収されたという設定のテレビ東京が実名で出てくるわ、一日の放映時間が三時間しかないという実は過去にあった実例を持ち出すわ、主演のはんにゃの金田哲が伊藤P似だわ、先輩の名前がそのまま伊藤だわ、社長の名前や番組名も実名だわで、よくこんなもの通ったなと思わせるテレ東以外では考えられないセルフパロディぶり。
もともとモヤさま自体、正月の枠が開いてしまい、急遽空いていたタレントさまぁ~ずと大江アナを適当に北新宿の街を歩かせる、というだけで企画が通ってしまったらしい。そういうアバウトなところから手探りでだんだんゆるくおもしろくなってきたのであって、作りこむことが多い映画とはおよそ水と油。ゆるさがおかしさにうまく転化しない。
葬儀をできるだけバカバカしくやるというのがクライマックスなのだけれど、このあたりも実に微妙。本当だったら不謹慎だとクレームつけてくるような視聴者あるいは世間が敵になのだが、そうすると無粋になってしまうし。