脚本・黒澤明、監督・森一生。「七人の侍」(1954)に2年先立つ1952年製作。
出演は荒木又右衛門の三船敏郎ほか、志村喬、加東大介、千秋実と、「七人の侍」のうち四人が出ていて、しかも敵味方に分かれているのだから、なんだか見ていて混乱するところあり。
製作の本木荘二郎、美術の松山祟も「七人の侍」と共通。
冒頭の三船の白塗り姿というのも、一種の珍景ですな。
白塗りで現れて講談での荒木又右衛門の三十六人斬りというのをさらに誇張した調子で描き、一転して「本当は又右衛門は二人しか斬っていない(ただし一人は剣の、もう一人は槍の師範代)」とナレーションでいって、実際の斬りあいとはどういうものか、ひとかどの人をひとり斬るのがどんなに大変なものか検証していく形で描いていく。ひとりのスーパーマンが大勢を相手にするのではなく集団同士で斬り合う趣向を含め、とうぜん「七人の侍」のリアリズム追及につながっていくわけです
ただし、もとの仇討ちに至る経緯であるとか、各登場人物にどんな事情があったのかといった背景は講談でご存知という調子でほとんどはしょられているので、見ていてきょとんとしてしまう。
それから人馬混成の隊列が又右衛門たちが待ち伏せている宿場に近づいてくるサスペンス(馬のひずめの音の効果)、敵味方の頭領同士が元は親友という設定は、「七人の侍」経由を通り越して「十三人の刺客」にストレートに結びつく。
又右衛門が宿の勘定を済ませるときわざわざ間違えないよう一枚一枚硬貨を数えて気を落ち着かせるあたり、いい調子です。宿の亭主の方が受け取った金を回収するのに手が震えてしまうのもいい。
本ホームページ
決闘鍵屋の辻 - goo 映画
出演は荒木又右衛門の三船敏郎ほか、志村喬、加東大介、千秋実と、「七人の侍」のうち四人が出ていて、しかも敵味方に分かれているのだから、なんだか見ていて混乱するところあり。
製作の本木荘二郎、美術の松山祟も「七人の侍」と共通。
冒頭の三船の白塗り姿というのも、一種の珍景ですな。
白塗りで現れて講談での荒木又右衛門の三十六人斬りというのをさらに誇張した調子で描き、一転して「本当は又右衛門は二人しか斬っていない(ただし一人は剣の、もう一人は槍の師範代)」とナレーションでいって、実際の斬りあいとはどういうものか、ひとかどの人をひとり斬るのがどんなに大変なものか検証していく形で描いていく。ひとりのスーパーマンが大勢を相手にするのではなく集団同士で斬り合う趣向を含め、とうぜん「七人の侍」のリアリズム追及につながっていくわけです
ただし、もとの仇討ちに至る経緯であるとか、各登場人物にどんな事情があったのかといった背景は講談でご存知という調子でほとんどはしょられているので、見ていてきょとんとしてしまう。
それから人馬混成の隊列が又右衛門たちが待ち伏せている宿場に近づいてくるサスペンス(馬のひずめの音の効果)、敵味方の頭領同士が元は親友という設定は、「七人の侍」経由を通り越して「十三人の刺客」にストレートに結びつく。
又右衛門が宿の勘定を済ませるときわざわざ間違えないよう一枚一枚硬貨を数えて気を落ち着かせるあたり、いい調子です。宿の亭主の方が受け取った金を回収するのに手が震えてしまうのもいい。
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