黒い森にやたら変な生き物がわさわさいるのが「もののけ姫」みたいだなー、と思っていたらシシ神そっくりの白い鹿が出てきたのにびっくり。それもご丁寧にも水の上に立っている(ように見える)。
宮崎駿がディズニーの「白雪姫」のことを「アホ娘ですよ」と切って捨てていたけれど、自分では何もしないでただ王子さまがやってくるのを待っているなんていうのが今のモラルで通用しないのは当然として、活動的・積極的になればいいかというとそうでもないのだね。第一、何に対して活動的なのだろう。エコロジー?まさかね。
自分の価値観を組み替えるような葛藤や試練をくぐってきたとはいいにくく、結局どこが特別かとというと、お姫さまだから、という以外の答えが見当たらない。
原題がSnowwhite and a huntmanで王子さまの他に「狩人」が出てきて三角関係になるのかと思うと曖昧なまま。
シャーリーズ・セロンの悪い女王が美貌と老醜と凄みと悲惨な育ちとを兼ね備えた大いにやりがいのある役どころ。どっちが主役かわからない。
CGはいまさらあまりびっくりしないので、人馬の大群の突撃といったスペクタクルの方が魅力的。
七人の小人の一人がどうも見た顔だと思ったらボブ・ホスキンズ。今の技術だと体を小さくできるからぱっと見ではわからなかった。
(☆☆☆)