ホームズの現代化って大丈夫かという感じでパスしていたけれど、イギリスという国自体風景や調度があまり変わっていないせいもあってそれほど違和感なし。シェークスピアだっていくらでも現代化できますからね。
ワトソンがアフガニスタンで負傷した、という原作の設定が一世紀以上経っても通用していまうのが驚きでもあり、アフガンに派兵したのはアメリカだけではないのねと思わせる。もともと中近東情勢をああもややこしくしたのはイギリスの責任が大きいってことを改めて思う。
もともとホームズものは外交絡みの話が多くて(たいてい兄のマイクロフトがかんでいる)、中近東やバルカン半島など今の問題が一世紀以上前から続く根が深いものだとわかる。第二シーズンではアイリーン・アドラーも当然出てくるだろうが、どう絡めるか。
ホームズとワトソンがホモと思われるあたりは、昔から言われていたことが現代化で表立って扱われるようになったということ。
ホームズがはっきり「アブナイ人」と見做されているのが今風。原典ではれっきとしたコカイン中毒だものなあ。
それでなくてもあまり身近にいたら相当にうっとうしい自己チュー男というのをはっきり打ち出している。
ワトソンという常識人の目を通してホームズといて天才にして変人を描く仕掛けを改めてしっかり踏襲しているけれど、ワトソンの方も少しトラウマがある。
「緋色の研究」に出てくるダイイング・メッセージのracheが人名のレイチェルRachelの書きかけではなくドイツ語のラッヘ=復讐という意味だったのをさらにひっくり返してやっぱり人名のレイチェルの意味でしたというあたり、凝ってます。
原典にも中国人の苦力(クーリー)が出てきたりするが、今日でも中国というと怪しげで危ないというイメージで通用しますな。
モリアーティをどう描くか、というのは色んな手が試されているけれど、今回は人が隠れるなら人の中式にカムフラージュをしていておもむろに登場します。
タイトルバック、ロンドンの街角の広告にTDKとSANYOの文字が見える。あと十年したら中国か韓国の企業名になってるかも。
パソコンや携帯を使うのは当然として、監視カメラがやたらとロンドンのあちこちにある状況も取り入れています。
チャンネル[BSプレミアム]
2012年7月16日(月) 午後9:00~午後10:30(90分)
ジャンルドラマ>海外ドラマ
映画>洋画
ドキュメンタリー/教養>文学・文芸
番組内容もしも、あの名探偵が現代に生きていたら…!? ロンドンを疾走する、21世紀のシャーロック・ホームズ。謎の連続自殺事件が発生するなか、未来の名コンビが出会う!
ベネディクト・カンバーバッチ(シャーロック・ホームズ)…三上哲,マーティン・フリーマン(ジョン・ワトスン)…森川智之,ルパート・グレイヴス…原康義,ウーナ・スタッブス…谷育子,【製作総指揮】べリル・バーチュー,スティーブン・モファット,マーク・ゲイティス,
第1回「ピンク色の研究」
【演出】ポール・マクギガン,【脚本】スティーブン・モファット,マーク・ゲイティス
ロンドンで不可解な連続自殺事件が発生。レストレード警部が、記者会見で「自殺者3人のつながりを調査中だ」と報告していると、記者たちの携帯電話に「違う!」と自殺に異を唱えるメールが届く。送信者は、変わり者の探偵シャーロック・ホームズだ。やがて現れた4人目の自殺者は、死ぬ前にある文字を書き残していた。一方、戦場帰りの軍医ジョン・ワトソンは、家賃節約のために、知人からルームシェアの相手を紹介される。
第2回「死を呼ぶ暗号」
【演出】ユーロス・リン,【脚本】スティーブ・トンプソン
詳細夜間の銀行の一室に何者かが侵入し、壁に黄色のペンキで意味不明のメッセージを残していった。すぐにシャーロックは、銀行で働くヴァン・クーンという人物へ宛てられたメッセージだと推理。だが、既にヴァン・クーンは自宅で死んでいた。ジャーナリストのルーキスも、同様のメッセージを見た後に殺される。2人とも殺害現場は密室だった。そのころ、博物館で働いていた中国人女性スー・リンが、突然、仕事を辞め、姿を消す。
第3回「大いなるゲーム」
【演出】ポール・マクギガン,【脚本】マーク・ゲイティス,スティーブン・モファット
詳細シャーロックは興味をそそる難解な事件が起こらず、退屈しきっていた。兄マイクロフトが、公務員の死と国家機密データに関わる事件の調査を依頼に来るが、受ける気は毛頭ない。同じころ、アパートの爆破事件現場でシャーロック宛ての封筒が見つかる。中に入っていた携帯電話のメッセージが示していたのは、5つの爆破殺人の予告と謎解きの挑戦だった。人質の命をかけ、シャーロックと謎の爆弾魔の頭脳ゲームが始まる。
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