prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「グスコーブドリの伝記」

2012年07月27日 | 映画
浅草の十二階なんて出てきたので、これ原作にあったっけと首をひねって再読したらやっぱりありませんでした。
妹のネリが戻ってこないのにもびっくり。代わりにネリを誘拐するマント姿の古典的なイメージそのまんまの「人さらい」が繰り返し悪夢のように再登場する。
おかげで失われたものを取り戻すといったはっきりした結構のある話ではなくなって、相当にとりとめのない脳内現実的なイメージが連鎖する一編になっています。

出てくる文字はエスペラントなのだろうけれどおよそ普及していないせいか、妙に世界をこちらから切り離すような作用をもたらしているみたい。

火山を噴火させ炭酸ガスを噴出することで温室効果で冷害に襲われた農地の温度を上げる、というのは今見ると反エコロジカルな行為と映る。



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