本当だったら、青年が作家となるまでの物語になるはずなのだが、スティーブン・キングから電話があって書いたものが認められました(声はエンドタイトルによるとキング自身がやっている、結構出たがりだから当然だが)というのがクライマックスになるというのは、実は誰かのイタズラでしたというひっくり返しがあるんじゃないかとひやひやしたぞ。
キングの「IT」が青年にとっての聖典みたいになっていて、「ライ麦畑でつかまえて」を好きというのはクールじゃないという扱いは正直安っぽい。
キングだって、相当に純文学の技法を学んで使っているはずだぞ。
家族たちのエピソードが尺をとりすぎていて、これ誰の話だろうと首をひねることになる、群像劇と言うわけでもない。役者のビリングでいうとグレッグ・キニアとジェニファー・コネリーが上に来ている(日本版のポスターだと)が、出番のバランスがどうもよろしくない。
同じ劇場で見た「あと10センチの恋」のリリー・コリンズが宣伝ではトップに来ているけれど、役柄自体が恵まれすぎていて(才能があって十代で本出せる)共感できるとはいかず。ドラッグの問題も突っ込み不足。
映像的な魅力も薄い。
(☆☆☆)

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ハッピーエンドが書けるまで@ぴあ映画生活
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 - シネマトゥデイ