思い切ったローキーにして単純にノスタルジックな時代色とも違う不思議な色調にまとめた撮影が秀逸。時代のせいもあってか登場人物がしょっちゅうタバコを吸うのだが、その擦ったマッチの炎がアクセントとして非常に効いている。
いかにもなドラマチックな調子を排しているような淡々とした語り口のようで、クライマックスで意外なくらいな畳み込みと盛り上がりを見せる。
茶室のにじり口や京都嵐山の竹林を小規模にしたような離れの家の設定が"異世界"にちょっと行き来するようなデリケートな感覚を出している。
タイトルになっている「無伴奏」という名曲喫茶でほとんどの客が映画館のように一方を向いているのもおもしろい感覚。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
公式ホームページ
無伴奏|映画情報のぴあ映画生活
映画『無伴奏』 - シネマトゥデイ