最後に明らかになる工作の実態とかはありがちだけれど、株で儲けようといる個々人の欲望に話が戻ってくる以上どうしても悪役を叩けばいいという落としどころが見つけにくいのがモチーフから来る本質的な問題だろう。
人質になるジョージ・クルーニーと立てこもり犯のジャック・オコンネルの間にストックホルム症候群みたいな共感が生まれてきて、しかも初めのうち軽薄なおしゃべりタレントみたいだったクルーニーがまともなジャーナリストとしての感覚を取り戻してくるあたりの経過がよく描かれている。
ジュリア・ロバーツがディレクターとしての顔だけしか描かれていないのにキャラクターとしての膨らみを感じさせる。
ちょい役、たとえばオコンネルの彼女(エミリー・ミード)とか最後まで中継を続けるプロ根性を見せるカメラマン(レニー・デビート)などを印象的なのも映画に厚みを与えている。
(☆☆☆★★)
映画『マネーモンスター』 - シネマトゥデイ
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