カメラがテニスボール目線になって激しくラリーを演じたり、テニスコートの地面が透明になって「刺青一代」みたいな真下から撮るアングルになったり、ずいぶんとケレン味のある演出をしている。
音楽が画面に合わせるわけでもなくずうっと鳴り響いていたり、必ずしも必要なく時制が交錯したりというのもケレンに入るかもしれない。ラスト近くで車で出かけるシーンも、なんであんなに風が吹いて紙くずが散ってたんだろう。
ラストのくくり方は、テニスのルールを良く知らないせいなのかどうなのか、ちょっと釈然としない。「ロンゲスト・ヤード」をフットボールのルールを知らないで見るようなもの。
ふたりの男をひとりの女がかわるがわる手玉にとって、どっちが手玉に取り甲斐があるか比べているみたい。