prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アビゲイル」

2024年09月21日 | 映画
あちこちから集められた互いに見知らぬ誘拐団一味が、大金持ちの娘を誘拐して幽閉したつもりでいたら、自分たちの方が囚われの身になっていた趣向は面白い。
もっとも後で考えると、誰がなんで少女を誘拐させて身代金を要求させたのかわかったようでわからない。
見ている側が疑問に感じたりボロが出る前にとっとと話を進めることに決めたということだろう。

前半のいとも優雅に「白鳥の湖」を踊っていたか細い少女が誘拐され怯えて泣きじゃくるところから一転してギャアッとなるタメがいい。

後半はピーター・ジャクソン「ブレインデッド」の次くらいに思い切って血糊をまき散らす。

誘拐団の一人がシャーロック・ホームズばりにそれぞれの他のメンバーの素性を言い当てるところからキャラクターづけを始めるあたりも工夫されている。

吸血鬼が噛むのと食いちぎるのとで、あとで噛まれた方も吸血鬼になるのかならないのかの違いが出るらしい。

アリーシャ・ウィアーは可憐な顔ととんでもない顔と両方見せて楽しい。