吃音の男の子が同学年(翌年中学に上がって制服になるから小学六年)の女の子に一目惚れするのだが、そのもどかしい気持ちを表すのにスケートで滑ってばかりいたのが滑れるようになるのと、女の子と距離的に接近するのを結びつけたのが絶妙。何か言おうのとしたところですぱっとカットアウトするのが文字通り切れ味がいい。
白ずくめの背景が清冽。
対する女の子が「月の光」をBGMにフィギュアスケートを華麗にスローモーションをはさんだりして、背丈でも気持ちの上でも見上げるような感じで描かれている。この年頃は女の方が大きい。
単純に子供と大人という対照だけでなく、成長と性徴とを微妙に絡ませたのがニュアンス豊か。
食卓のシーンの両親と二人の男の子の配置で、両親が左側に並んで座り、兄が右側に弟が奥にそれぞれ一人で座るというのは、かなり変。両親がテレビを見やすいようにそうなっているということか?
最近、スタンダードサイズ(1:1.33)の映画が増えたなと思った。これがそうだし「愛に乱暴」もそうだったと思う。スクリーンサイズも映画データに入れておいて欲しいところ。
音楽担当のハンバート、ハンバートってナボコフの「ロリータ」の主人公の名前じゃない。