prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

カウボーイ姿のヘロデ王

2005年05月19日 | Weblog
こんな夢をみた。
南米の奥地みたいなやたら上下の差が激しい地形の村を登っていくと、ぽつっと古びた公民館みたいな建物がある。
中に入ると、すり鉢状に四方に粗末な折り畳み式の椅子が並び、客がほぼいっぱいに入っている。オタク風の若い男の前の席につくと、スピーカーから何事かかけ声がかかり、映像が客席に投影される。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」のナンバー「ヘロデ王の歌」で、どういうわけかヘロデ王がカウボーイの格好をしている。と、投影されたものだと思ったカウボーイがいつのまにか客席の間を走り回っている。
ロビーに出ると、折り畳みテーブルが出されて、給食の用意が始まっている。

「ジーザス・クライスト・スーパースター」なんて出てきたのは、「コンスタンツィン」を見た影響でしょうか。



「コンスタンツィン」

2005年05月18日 | 映画
キリスト教にむしろ反感を持っているこっちとしてはまあ楽しめた方。思わせぶりがうまい、ってことですけどね。
天使たちが悪がかっているのも変な説得力がある。ただ、神を本気で罵るまでにはいかず。(商業映画としてはあたりまえだが)。「神はガキだ」と言ってみたり、「ときどきわけのわからぬことをなさる」と言ったり。どうともとれるということではないか。
世界観は勧善懲悪ではないのはいいのだけれど、なんか構造が見えにくい。
(☆☆☆)


「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」

2005年05月16日 | 映画
ネタばれ注意

と、ねぎねぎしく断るほどでもないのですけどね。物理的に、アレ以外ありえないのだから。
さすがに、というべきか、ネタがばらした後で安心しないで、見せ場をたっぷりめに盛ってます。だからって、あまり充実もしていないのだが。
(☆☆☆)



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「ドッジボール」

2005年05月14日 | 映画
拾い物を期待したのだが、それほどでもなかった。
エンドタイトルが終わる寸前、ハリウッド・エンディングをからかう場面がひょっこり出てきたりするのだが、それまでの組み立てがハリウッド・エンディングそのまんまなのだからエクスキューズにしか聞こえず。

思いきって下品なのは、確かに結構気持ちいい。身体障害者のコーチが徹底的に性格が悪いあたり、日本で同じことしたら何言われるかわからない。コーチの退場のさせ方の無神経ぶりにびっくり。計算してそうしたのかどうか、ちょっと見当がつかない。

人に思いきりボールをぶつけて痛がるのを見るのが楽しい、というレベル。
レッドネック・センスというか。どういうつもりか、チャック・ノリスとかデヴィッド・ハッセルホフとかウィリアム・シヤトナーといったB級有名人がやたら顔を覗かせる。日本人には何が面白いんだかわからん。
日の丸鉢巻にフンドシという今どきこういうの出すかと思わせる日本人チームが出てきたのに呆れる。
(☆☆☆)



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風呂なし

2005年05月13日 | Weblog
ガス給湯器が壊れる。おかげで、風呂にも入れない。直るまで、しょうがないから銭湯にでも行くかとなる。だけど、普通の風呂屋って、今ないのだね。みんな健康ランドみたいになってて。値段も千円を越す上、電車賃もかかるとなると、どうも面倒。
昔、銭湯だった場所は今ドラッグストアになっていて、店の奥がいきなり一段低くなっているが、じつはこれ風呂があった場所。いったん土を掘ると、あとで埋めても地盤が弱くなるので掘り下げたままになっているというわけ。知らない人は何かと思うだろう。

深夜、起きてテレビをつけたら「緋牡丹博徒・お竜参上」をやっていた。ノートリミング版なのは、結構。刺された怪我人を介抱するのに、「油紙を敷けっ」と言っている。昔はそうしていたのですね。ときどき顔をのぞかせる加藤泰式のリアリズム。



「ブレイド3」

2005年05月12日 | 映画
水戸黄門みたい。ワンパターンなところも、御一行さまがやたらと増えて、女の見せ場が増えたあたりも。
おかげで、ウェズリー・スナイプスの見せ場が減った。ジェシカ・ビールの女戦士が宣伝で見るほどアマゾン風ではなく筋骨逞しい割に意外とフェミニンな印象。最大の悪役の設定があまり知恵がなくてイマイチ。
エンドタイトルの後を見ると、これで完結と言いながらまだ続けたそう。
年齢層が高い割に結構混んでいた。
(☆☆☆)



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「インファナル・アフェアIII 終極無間」

2005年05月11日 | 映画
トニー・レオンの出番を回想にせざるをえないので、一作目の後日談と過去とが交錯するかなり複雑な構成で、一度見てすんなり頭に入るというわけにいかない。
見ようによっては、死んでも死にきれず題名通り無間地獄をさまよっている図のよう。
役者が脇で立っているのまで含めてぴしっと着こなしたたずまいがスタイリッシュに決まっている。
(☆☆☆★)



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「マスク2」

2005年05月10日 | 映画
赤ちゃんとか犬とか、生の素材そのものが魅力になっている素材を悪くCGでいじくりまわした悪趣味。
赤ちゃんが踊ったり壁を走ったり「エクソシスト」ばりに首をまわして緑のゲロ吐くのを見て、楽しいと思うのか? 気持ち悪くて正視に耐えなかったぞ。
ジム・キャリーが抜けた穴もでかいが、それ以前。

主人公の名前がティム・エイヴリーと言うのは「ドルーピー」シリーズの作者のテックス・エイヴリーのもじりだろうし、音楽に「美しき青きドナウ」や「泥棒かささぎ」を使っているのはキューブリックばり、「荒野の用心棒」のクリント・イーストウッドのコスプレが出てきたりするが、元がガタガタなものでそれがどうした?といいたくなる。
(☆☆)



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記憶の謎

2005年05月09日 | Weblog
図書館で借りてきた本がどうしても見つからず、やむなく買って弁償することにしたら本屋では品切れで取り寄せできず。
しょうがないので通信販売で注文したら、古本が定価の半額ほどで手に入る。届いた本は新本同様なのはいいとして、読んだ覚えがあるような、ないような。どこでなくしたのか、ついにわからず。



「崖」

2005年05月08日 | 映画
ブロデリック・クロフォード他の詐欺師たちが神父に化けて農民からミサ代を巻き上げてまわるというバチ当たりな真似をする一方で、娘にはいやに甘かったりする矛盾が面白い。
身障者の娘に仏心を出したのが裏目に出て仲間にのされて死んでいくラストは厳しいタッチで、神に救われない感じがくっきり出た。
詐欺が一種のお祭り騒ぎのような扱いになっていて、リチャード・ベイスハートの仲間が酔って愚痴るあたりの祭りの後の寒々とした雰囲気が対照的に描かれるあたり、いかにもフェリーニだが、「道」や「カビリアの夜」と違って女性があまりドラマに積極的に絡まないので、やや情緒的な膨らみが乏しい。
ジュリエッタ・マシーナもおつきあい程度の出番。
(☆☆☆★)



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「コックリさん」

2005年05月07日 | 映画
女の子の眼と黒く長い髪の毛の使い方に、怖がらせ方のポイントを置いている。

ヒロインは劇中「後ろから叩くとこぼれそう」と形容されるくらいでっかい眼の持ち主で、その母親が襲われる場面でぐりっと両の眼玉が気持ち悪く左右に分かれて動くあたりとか、なんべんも出てくる黒髪を割った中からすごい目つきで睨んでいる映像とか、緑内障でか虹彩の色が妙に薄くなっているといった画作りは、黒眼黒髪の東洋人でないとサマにならないだろう。

コワい映像はふんだんにあるからあまり飽きはしないが、話の展開とか、画面のつなぎなどはショック効果を狙ってか飛躍し過ぎて変になっているところが多々ある。

初めの方で「コックリさん、コックリさん、おいでください」というところで、韓国語でもオイデクダサイといっているとしか聞こえないのにびっくり。
(☆☆☆)



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「FESTIVAL EXPRESS フェスティバル・エクスプレス」

2005年05月06日 | 映画
ロックといえば「ウッドストック」風に“反権力”と反射的に思うのだが、ここでは反権力のいかがわしさが期せずして収められている。ライブをタダで見せるのが当たり前って発想はどこから来るのかと思う。カルガリーの市長がまたそういう非常識な連中にコビるあたりも。
考えてみると、「ウッドストック」だって、主催者のジョン・ロバーツが24歳にして大富豪だったからありえたのだ。

ひたすらアーティストが列車の中で音楽(と酒とドラッグ)に耽るノンストップのパーティ、あるいは「サーカスの巡業」のような非日常的な時間。
撮影の一人がピーター・ビジュー(「ミシシッピー・バーニング」でオスカー受賞)というのにびっくり。
ジャニス・ジョプリンの捨て身の迫力が特に印象的。



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