魔法のレストラン

私のよく観るテレビ番組に
「魔法のレストラン」というのがある。（ＭＢＳ）
地域を密着して紹介するこの類の番組は好きだ。
とくにこの番組は「食」の番組。
食い道楽にはたまらない情報源でもある。

テレビ番組の新聞を見たわけでもないが
いつものようにスイッチを入れたら「近鉄・阿倍野」が出てきた。
今日も和歌山に行った帰り、ここで二の腕が痛くなるほど買い物した。
野菜、果物、パン、生鮮食料品・・・

久しぶりに大トロが食べたくて購入した。
ここの大トロ、お値段安くて新鮮なのだ。
私の近辺のどの魚屋さんよりも安くて新鮮だと私の太鼓判。
それを購入して食事をしながらテレビをつけたら
同じ大トロが出て来たではないか。
今日は帰宅が早かった息子と娘の三人で食事をしていたから
私の興奮ぶりは頂点に達した。

「これ観て観て！お母さんが買って来たこの大トロがこれよ」

テレビに出ている商品を買って来たという自慢げな私。
子供たちも私の気持ちを逆撫でしない。
上手く私を乗せる。

「お母さん、凄いじゃん！」

私は機嫌よく
「でしょ！　ここの大トロは最高なんだから
　あなたたち、味わって食べてね」

（急に恩着せがましくなる）

テレビで紹介しているものを食べさせているという私の得意な気持ち。
すでに過去に収録されたものなのに
自分がテレビに映ってないかなど思いながら探している。
本当にバカだ。
途中で「クイズ＄ミリオネア」にチャンネルを変えた息子を叱り飛ばし
もう強制的に「魔法のレストラン」だ。

このデパ地下がなぜ売れるか・・・・
コストを安くして、閉店時にはほとんど売りつくす。
薄利多売で信用と実績が誇っているようだ。
苦労話や秘話もあるようだが、テレビではあくまでもポジティブな会話。

他にもごちビルの「北極星」のオムライスや
駅前路地裏の「平和」の焼肉屋さんや「大松寿し」や
「羊の家」のビーフシチューが紹介された。

「もう知ってるって！　常連だって！」
・・・とテレビに向かって話している私。
なんてミーハーかと思うけれど。

マスコミの力は大きくて
テレビや雑誌に掲載されるとそこのお店は大繁盛する。
地元が潤うのは嬉しいこと。
阿倍野界隈は私のお膝元。
３０年近く住んでいると、ほとんどのことがわかる。
やっぱりこの街が最高に好きだと思う。

しかしテレビに放送されているのを観ながら
片や家庭の食卓で同じものを食べる喜びは格別。
私はやっぱり単純だ。