豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“赤い河”

2008年02月17日 | 映画
 
 人が物事を決定するときには、脳はどのようなメカニズムを働かせているのだろうか?
 昔、東海林さだおの「ショージくんの~」シリーズの中に、勤務中のサラリーマンが午前11時頃からその日の昼飯に何を食おうかと散々考えた挙句に、ようやく決定した食べ物を注文の瞬間に変更してしまうという、滑稽なエッセイがあった。

 何の話になるかというと、西部劇の500円DVDの決め方である。

 芦原伸著『西部劇を読む事典』(NHK生活人新書)の推薦に従って、時代順に“拳銃無宿”から見て行こうと決心したのだが、あいにく近所の本屋にはキープ版の“拳銃無宿”がなかった。他社版の“拳銃無宿”はあるのだが、英語字幕がついてないので、買うのならキープ社のにしたい。
 時代順の第2番目の“真昼の決闘”はパス。第3番目は“北西騎馬警官隊”、第4番目は“遥かなる地平線”、“ヨーク軍曹”と続くのだが、この辺は、キープ社版“水野晴郎の~”シリーズにも、ファーストトレーディング社版“Classic Movies ~”シリーズにも入っていない。
 
 ここから、本屋のDVDコーナーの前に立つたびに、ぼくの苦悩が始まるのである。時代順は維持できない。ではテーマ別で行こうか。しかし大きく時代を前後させたくもない。
 インディアンとの交流物は“白昼の決闘”でつまづいてしまった。“折れた矢”でリベンジするか、それとも、テーマを代えてみようか。代えるとしたら、南北戦争ものか、鉄道建設ものか、騎兵隊ものか、キャトル・ドライブ(牛の大量移動)ものか・・。

 結局今回は、cattle drive ものの、“赤い河”となった。ジョン・ウェインと若いモンゴメリー・クリフト(ちょっと少し前のトム・クルーズに風貌が似ている)、それに“西部の男”でロイ・ビーンを演じていたウォルター・ブレナンなども登場する。

 舞台は1851年のテキサス。その未開地に一つがいの牛を連れたジョン・ウェインがやって来て、牧場を開く。14年後に、その牧場は大牧場となるが、南北戦争に敗れて疲弊した南部では牛は売れない。
 そこで、ウェインは孤児から育て上げたモンゴメリー・クリフトらとともに、数千頭の牛を連れて、数千km離れたミズーリに向かう。
 しかし、途中でカンサスのアビリーンへ向かう安全な道(チザム・トレイル)があるという情報が入るのだが、頑固なウェインはミズーリ行きを譲らず、モンゴメリー・クリフトと決別してしまう。
 ・・・というような話である。

 テレビは、どこも芸能人やらアナウンサーの東京マラソンの珍道中の中継ばかりの、きょうの午後この“赤い河”をみた。芦原本では、“必ず観ておきたいクラシック西部劇30選”に入っている(315頁)。
 まずまずの出来であった。

 * 写真は、“水野晴郎のDVDで観る世界名作映画28 赤い河”ハワード・ホークス監督、1948年(キープ)のケース。

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