豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

芦原伸『西部劇を読む事典』

2008年02月18日 | 本と雑誌
 
 芦原伸『西部劇を読む事典』(NHK生活人新書)は、これまでにもたびたび引用させてもらったが、ぼくにとっては大変に面白く読める本である。

 子どもの頃から西部劇は嫌いではなかったが、芦原少年のように昭和30年代に、大須の映画館に通いつめてB級の西部劇映画を観まくったというような経験はない(年齢も彼のほうが数歳上のようである)。
 思い出にある西部劇といえば、渋谷の東急文化会館の西側の壁面一杯に“荒野の七人”の看板がかかっていたことと、同じく“燃える平原児”のエルビス・プレスリーの大きな看板がかかっていたことくらいしかない。
 キネマ旬報の『アメリカ映画作品全集』で調べると、両方とも1961年の日本公開とあるから、ちょうどぼくが小学校4、5年生頃の記憶である。

 その頃、ぼくは、どこかの児童書出版社から出ていた子ども百科事典式の『西部劇事典』を持っていた。ビリー・ザ・キッド、デビー・クロケットなどの写真(イラストかも)や、コルト45、ウィンチェスター銃などの写真が載っていた。
 芦原本を読んでいるうちにその本の記憶がよみがえり、ひょっとしてと思って先日、神田神保町の古書会館(?)に入っている児童古書専門のみわ書房に探しにいったが、その手の本は見つからなかった。

 さて、芦原本は、「映画で辿る西部開拓史」「西部の民俗学」「西部英雄伝」などとつづいて、西部劇にまつわる彼の薀蓄が満載されている。この本を読まなかったら、たとえ時間潰しにしても西部劇など見なかったかもしれないが、この本で予備知識を与えられたために、500円DVDを結構楽しく見ている。

 ところで、ぼくは昭和25年生まれで、芦原少年が大須の映画館に通っていた昭和30年から35年頃は、まだ映画館などに行くことはできず、西部劇はもっぱらテレビで見ていた。
 残念ながら、芦原本には、テレビ映画の西部劇は一切紹介されていない。ぼくの世代にとってのテレビ西部劇の古典は、なんといっても“ララミー牧場”だろう。淀川長治の「西部こぼれ話」ともども是非もう一度見て見たいが、ビデオもDVDもないようである。

 その他にぼくが好きだったのは、前にもこのブログで主題歌の思い出を書いた“幌馬車隊”や、スティーブ・マックィーンの“拳銃無宿”、チャック・コナーズの“ライフルマン”、“ローハイド”、“保安官ワイアット・アープ”、“バット・マスターソン”などである。
 “ローハイド”でウィッシュボーン爺さんが作る豆料理をカウボーイたちが美味そうに食べるので、母親に頼んでハインツの豆の缶詰を買って同じような料理を作ってもらったが、不味かった。

 “ガンスモーク”や“ブロンコ”“シャイアン”(この2作は1週交代で放映されていたこともあった)“ボナンザ(カートライト兄弟という題名だったこともあった)”などは、少し大人向けで、ロイ・ジェームスが主人公の吹き替えをやっていた“ガンスモーク”などはキス・シーンが出てくるために見ることを親に禁止されていた。
 “カクタス・キッド”とかいう和製西部劇もあったように思う。カクタス石油の提供だった。

 こういったテレビ西部劇の題名をグーグルで検索したら「TVオタク第一世代」というのに出会い、そこに紹介されていた参考文献の『外国TV映画大全集』(芳賀書店)、『外国テレビ・ドラマの50年--テレビの黄金時代』(キネマ旬報)、『アメリカンTVドラマ50年』(共同通信社)というのを、これまたネットで買った。

 本当は、当時時おり買って(もらって)いた「テレビジョン・エイジ」という雑誌が懐かしくて、矢口書店、@ワンダーなどを探したのだが、まったく存在しなかった。上の雑誌も、あれこれ懐かしい思い出をよみがえらせてくれたが、そのことはまたおいおい書き込むことにしよう。

 * 写真は、芦原伸『西部劇を読む事典』(NHK生活人新書)の表紙。

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