豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“折れた矢”

2008年03月04日 | 映画
 
 “折れた矢”を観た。
 
 3本セットで980円の“西部劇傑作選 ジェームス・スチュアート特集”の1本である。1枚あたり330円弱では文句も言えないが、何か所も音が引っかかる所があった。

 舞台は1870年のアリゾナ。ストーリーは、白人とアパッチの融和の物語である。水野晴郎解説によれば、「アメリカ映画で、初めてインディアンの立場から白人を描いた」作品だそうだ。
 確かに、白人の牧場主を徹底的に悪人として描き、アパッチの酋長コーチーズを平和主義者として描いている。
 
 芦原伸『西部劇を読む事典』の「折れた矢」の解説の中で、バファロー・ビル・コディの議会での次のような証言が引用されている。
 「私は何度も遠征隊を率いて彼らと戦ったが、そのたびにわが身を恥じ、わが政府(合衆国政府)を恥じ、わが軍の軍旗に恥ずかしい思いをしたものだ。正しいのはいつも先住民であり、彼らが協約を破ったことは一度もなく、われわれが協約を実行したことは一度もなかった」と(244頁)。

 おそらく、「折れた矢」も真実なのだろう。それを堂々と映画にできるのもアメリカなのだろうが・・。
 
 西部劇には一定の決まりごとがあって、それを納得したうえでなければ見る資格がないことは分かるが、インディアンが英語で喋り(俳優自体も白人である)、アメリカ白人風に愛を囁くというのも、納得しなければならないのだろうか。
 これを全部お互いに母語で喋って通訳していたのでは、映画が成り立たないだろうけれど。

 * 写真は、キープ(KEEP)版“水野晴郎のDVDで観る世界名作映画22 西部劇傑作選7 ジェームス・スチュワート コレクション”から、“折れた矢”のラスト・シーン。
 

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