上の息子は留学中、下の息子は野球の合宿中。
夫婦二人の日々である。やがて、こんな生活がずっと続くことになるのだ。
上の息子が置き去りにしていった“転校生”というDVDを観た。
幼な馴染だった男女が中学生になって再会するのだが、二人で遊びに行った湧き水の池にはまり、水中でもがいているうちに、男女が入れ替わってしまう・・。女の子の身体に男の子の心が宿り、男の子の身体に女の子の心が宿ってしまう。
二人は外見に合わせて、女の子の身体をもった男の子は女の子の家で生活し、男の子の身体をもった女の子は男の子の家で生活することになる。
男の子の心が宿ってしまった女の子(の身体)のほうの演技やセリフは、なかなかうまい。蓮佛美沙子というらしい。
反対のほうはいけない。なよなよしすぎている。もともとの女の子はもっと活発な子だったはずなのに。
池に落ちて二人が入れ替わる場面もアニメ的だし、途中で、ト書きが画面に出てきたりするのも、大林流なのかもしれないが、ぼくは好きになれない。
しかし、全体としては、悪くない映画であった。
信州の風景がいい。
中学生の男女もいい。
ぼくは、初恋というのは、小学校2、3年生の頃に、夏休みが明けたら突然転校していなくなってしまった女の子への不思議さだと思っている。
この“転校生”には、あまり「転校生」であるが故の淡い思いは描かれていないが、それでも、ぼくの心の中に残っているけれど、日頃は忘れてしまっている中学生時代の気持ちのどこかに触れるものがあったような気がした。