小雨、18度、95%
失敗談です。この夏、包丁を研ぐ為に、セラミックの砥石を日本で求めてきました。シャープナーと違って、家中の包丁が、見違えるほど切れ味がよくなりました。そうなると、どういうわけか調子づく私です。30年以上の裁ちバサミを研いでみました。湿度の多い香港に来て、うっすらとさびを付けてしまいました。さびは、サンドペーパーでとりましたが、さびてもよく切れるはさみでした。研いで見ると、あらら?切れなくなっています。研ぎ方に問題があるのかと思い、またしても挑戦。もっと切れなくなりました。
後日、調べて解ったのですが、包丁とはさみでは研ぎ方が違うのだそうです。
かわいそうなことになった、裁ちバサミです。今回の帰国で、専門家に研いでもらおうと、調べました。3週間かかるところ、すぐに研いでくれるけれど、実家からアクセスが悪いところなどで、研ぎ直しは断念することにしました。
時間の余裕がないことと、荷物は全て手荷物で、機内に持ち込みます。当然、はさみの類いの持ち込みはできません。かと言っても、裁ちバサミがないと不自由します。裁縫を毎日するわけではありませんが、結構裁ちバサミを使う機会が多い我が家です。そこで、新しい裁ちバサミを買うことにしました。
帰る前から、小振りな庄三郎のものと決めていました。福岡の新天町の老舗の刃物やさん、入るなり、はさみのところへ一直線。迷わず、いただいたのが こちらです。
握らせてもらった時、すーっと、油が流れました。そういえば、古い裁ちバサミに、油を注してやったことなどなかったと思います。いくらいい道具を持っていても、それなりの手入れをしてやらなければなりません。こんな簡単なことを忘れていました。
新しく求めた、裁ちバサミ、包装のまま、郵便局で香港に送りました。古い方の裁ちバサミは、時間の余裕のあるときに、研いでもらうことに決めています。年末は、小さな用事で出番の多い裁ちバサミ、手入れを怠らないこと、こんな年になって初めて気付くことです。まだ髪がとっても長かった頃は、古い裁ちばさみで、時折ザバッと髪を切ったりしていました。無茶な使い方をしていたものです。なんだか、すまない気持ちで一杯です。