雨,29度、89% 雷注意報
私がお団子と書くと,食べるお団子と思われるでしょう。いえ、頭にお団子付けてます。
髪を伸ばし始めて2年になりました。前後ろで長さの差がありますかが,背中の真ん中よりちょっと上まで伸びました。2年前、半年だけ伸ばそうと思いました。半年経ったら,孫が生まれる予定でした。孫を抱く時にはスッパリと髪を切りたいと思っていました。髪が肩の辺にじゃらじゃらしたままでは孫の顔にかかるかもしれません,不衛生です。ところが,孫の生まれた日に日本に帰り着いた私、2月の真ん中で寒くて髪を切る気になれません。一つに結わって初めて孫を抱きました。その時ちょっと思いました、ベリーショートでない限り,髪を束ねた方が孫の顔には触りません。それで,お百日のお宮参りの時も桜吹雪の中、髪を一つに結んで孫を抱きお神社に向かいました。
束ねると確かに一番すっきりとするので,まあいいやと伸ばしました。以前書きましたが,小さい頃はサザエさんに出て来るワカメちゃんカット。襟足はズズッと青く剃り上げられ,どれだけ悲しい思いをした事か,幾度も髪を伸ばしたいと床屋さんの鏡の前で泣きました。中学の時やっと前髪だけは伸ばすのを許されました。初めての横分けです。ですから高校を出て一人暮らしを始めた途端に髪を伸ばし始めました。肩まで髪が伸びた時,どんなに嬉しかった事やら。私がいつも髪が短いので,硬い髪だと周りの友人は思っていたそうです。実は,猫っ毛。細くて腰がありません。強い風に当たると,グシャグシャに絡みます。
髪を伸ばし始めて,一度だけパーマをかけたことがありました。今はヒカリエなどと呼ばれている,昔の東急文化会館にあった美容院での事です。ちょうど梅雨時,ゆるいウェーブにしてもらったのですが,帰り際髪を扱ってくれたお姉さん,一週間は髪を洗わないように,とおっしゃいます。無理です,一週間も髪を洗わないなんて。すぐに髪を洗いました,しかも梅雨で湿度は高い、ウェーブなんて何処に行ってしまったのか,直に元の真っ直ぐの髪になりました。パーマなんてお高いだけでもったいない,ですから,パーマはかけません。ちょうど40年前の話です。
パーマはかけませんが,息子を産むまではずっと髪を伸ばしました。育児中は髪を切り揃えましたが、またしても伸ばします。香港に来て以来毛先が傷むので、これまたもったいないと自分で裁ちバサミで毛先を切っていました。暑い夏でも髪は下ろしたままでした。今思うと暑くなかったのかしら,真っ直ぐに下ろしたまま暑い夏を過ごしていました。50歳を前に白髪が目立つようになりました。もう髪は伸ばせないとザッパリ切りました。
その髪をまた伸ばそうと思ったのですから、余程長い髪への思い入れが強いのだと思います。香港の蒸し暑さは異常です。そこで暑くなり始めると,髪を小さなお団子にしてうなじの上でまとめます。顔周りもすっきりしますが襟足もなんとらくちんです。ところが小さいときから短い髪の私、三つ編みすら出来ません。まとめるといってもお団子を作るのがせいぜいです。髪を結うのは後ろ手でしなくてはなりません。ただでさえ不器用ですから,込み入った結い方は無理です。
いつまで伸ばすつもりでしょうか,2月に一度は,毛先を揃えてもらいに出かけます。髪を当たってくれるお兄さん,会う度によく伸ばしましたね,と言って下さいます。
髪を短くと常々言い続けた私の母は,亡くなる少し前に,「あなたは髪が長い方が似合うわね。」と言いました。それ以上は何も言いません。どれだけ小さい頃髪が短いのが嫌だったか、母は知っていたはずです。
ヘタクソなお団子をうなじに作って、涼しいと喜ぶ私です。と,気が付けばうなじが日焼けしています。