曇、14度、65%
3大テノールの一人「ホセカレーラス」のリサイタルに行きました。帰国して5年、こうした催しに出向いたのは初めてです。
「ホセカレーラス」オペラからは引退したと聞いています。大病を患い舞台を続けることが辛くなったそうです。独演のリサイタルですら数少なくなっています。
若い頃と同じ体型、こんなほっそりした体からあんな声が出るのかと舞台に上がった姿を見ました。歌曲を歌い始めると小さな体から流れ出るような声に魅了されます。プログラムはご自身の疲れを伴わないようにゆっくりと進みました。幾度も舞台裏に戻られます。喉を潤す、腰を下ろす、舞台裏の「ホセカレーラス」の様子を想像しました。大病後の復活は奇跡的だとすら言われた「ホセカレーラス」年齢的にも長時間の舞台は無理なのかもしれません。残念なのは会場が満席でなかったことです。
お若い頃ほどの声が出ないと酷評を読んだことがあります。昔はもっと艶のある声をなさっていたのでしょう。でも仕草や目の動き、佇まいに年齢を重ね一つのことを続けて来た方の美しさを感じました。昨日は祝日、開演4時で2時間ほどのリサイタルでした。まさか福岡で「ホセカレーラス」の声を聞くことができるとは思ってもいませんでした。
秋の夕、いつまでも「ホセカレーラス」の姿と声が胸をいっぱいにしていました。