晴、3度、78%
先日、会食がありました。ご年配の方とご一緒でした。その中のお一人、延々とご自分のことを話される方がいます。ご一緒の方たちもそのことは承知、黙って聞くしかありません。みなさん箸を置いて、下向き加減に話が終わるのを待ってます。こう言う方は何故か周りの空気が読めないなあと思いながら、私は目の前の箸を眺めていました。
こう言う席によく出る両端が細い「利休箸」です。時間がたっぷりありますからじっと観察します。色が優しい白です。両端が細くなっている姿が美しい。普通の箸より長めのバランスもいいと思いました。次の料理が来たのを機に例の方がやっとお話を止めました。箸を持つと軽く感じます。軽いと言うことは本当の杉の箸かな?とそっと匂いを嗅いでみましたが、杉の匂いはしません。
皆さんと別れた後も「利休箸」のことで頭がいっぱいでした。お家で使ったっていいはずです。そこで帰りにお茶屋さんで二膳「利久箸」を買いました。白いので汚れたら替えようと思います。
この数日、毎食この「利休箸」を使います。手に軽く、箸の微かな音も優雅です。お茶屋さんで素材を尋ねるとやはり杉でした。香りこそないけど杉の持つ清潔感があります。3日ほど使うと思った通り、口に当たるところがくすみ始めました。赤い辛子などを使った料理では赤く染まります。汚くなったら、菜箸に下ろすつもりです。
箸の上げ下げ、一日の小さな一コマですが、心地よい箸を使うと気持ちのいいものです。あの長話の方がいなかったら、「利休箸」をまじまじ見つめることもなかったでしょう。そう思うと、長話の方に感謝です。
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