曇、17度、88%
モモが逝って5年が経ちました。今日が命日です。日本での生活は八十五日でした。
モモにとって初めての日本、寒い冬がやっと明けて春が訪れました。さあ庭造りを始めようと思っている矢先に「前立腺」を発症しました。人間同様、元気な身体の腫瘍は進行が早く、前立腺の肥大が排尿排便を塞ぎました。非常に痛みを伴うと獣医から聞かせれていました。排泄できないままひと月以上も生きました。
帰国当初、真冬でもありこの家の庭はむき出しの地面、草も一本もなく木は冬の姿でした。やっと木々に緑が芽生えました。待望の桜、モモに見せてやりたかった日本の景色の一つです。桜はモモが生まれ育った香港にはありません。花が好きなモモは桜の花びらを匂いました。最後の2週間は歩くのが困難になり、バギーに乗せてお散歩に連れ出しました。道端に咲く野の草花を摘んでは部屋に飾りました。
主人の帰国を待っていたかのような最期でした。主人の胸に抱かれ私を見つめながら逝きました。翌日、荼毘にふす時この道端の野の草花をモモのお棺に入れてやりました。その中の一つ、スッと立ち上がった小さなうす紫の花をつける「マツバウンラン」が昨年から我が家の庭に数本咲き始めました。儚げな立ち姿、 風に吹かれてもなびきます。モモに供えました。
13歳と3ヶ月、生まれた土地を離れ日本で迎えた死でした。せめて季節を一巡して欲しかった。紅葉も見せてやりたかった。美味しいものを食べさせてやりたかった。庭に咲く「マツバウンラン」を見ながら思います。
未明からの荒天は、まるで真奈さんの心模様のようです。
モモさんに対する沢山の想いが巡ってきますね。
合掌