晴、5度、80%
自宅使いのお線香が切れたので仏具屋へ行きました。最近では仏具屋も郊外型店舗があります。仏具の消費は減っているのではと思います。私のようにお仏壇を始末する人も多いと聞きます。大きなお仏壇は必要ないけど小さいものへ買い替える人はいるのかもしれません。郊外型の店舗は広い駐車場があるので便利です。
父母に使うお線香は決まったものですから、いつもならそのお線香の箱をとってお店の人に渡します。昨日は若い男性の店員さんが側に来てお線香の案内を始めました。我が家のお線香も種類が増えています。「微香」「微煙」を含めて4種類、「微香」は機密性の高いマンションなどでは匂いが強すぎて買う方が多いのだそうです。「微煙」は解せません。ゆるりと立ち上る煙を見るのも、供養だと思いますが、よく考えられています。
別の棚に目を写して、視線が止まりました。「ミルキー」「いちごみるく」「佐久間のドロップス」が並んでいます。「これもお線香です。どうぞ香りを」とお兄さん。一箱一箱開けて匂いを嗅ぎました。「ミルキー」は不明な香り。「いちごみるく」も最初ははっと思ったけど最後はお線香の香り。「佐久間のドロップス」は「あれ!」色違いのお線香が並んでいます。ドロップスの色の数だけ違う匂いがそれぞれついています。これにはびっくり。「佐久間のドロップス」はかなりその物の匂いがします。
お支払いをしようとすると、お兄さんが「こちらもどうぞ」と横の箱を指します。「コーヒー」「緑茶」「いちご」のお線香です。 それぞれうまく作られていますが、最後に鼻に残るのは煙っぽいお線香の香りです。
老舗の仏具屋さんです。入社一年という若い店員さんは歳の行った私の「お線香談義」に耳を傾けてくれました。「アロマ」が巷に浸透始めてから「お線香」の香りに変化が起きました。「ラベンダー」のお線香などが店に並び始めました。物珍しく買い求めましたが、お仏壇にあげるお線香は従来のものに落ち着きます。
「ミルキー」「佐久間のドロップス」「いちごみるく」を買う人がいるのかしら?お子さんを亡くされたお家ならわかるような気がします。「白檀」「伽羅」の正統派のお線香は心身を鎮めてくれると思います。帰り道、車の中でふと中国の長い長いお線香の香りを思い出しました。赤い彩色とは裏腹な素朴な香りです。
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