雨、17度、88%
ウェブでお菓子や料理の作り方を見ていると、市販の出汁や出来上がった調味料、電子レンジを使っての時短で作れるものが多数紹介されています。感心します。そして真似をします。蒸し器より電子レンジ、納得しました。早くて楽です。でもね?と考える自分もいます。
先日のバレンタインデー、私もお菓子をいくつもいただきました。チョコレートに混じって焼き菓子が届きました。40年以上前一度食べたきりのお店のお菓子です。未だ20代でした。今考えると恥ずかしくなるようなお願いをしにお店のご主人にお会いしました。その話はいつかしますが、よくもまあと今にして思います。帰りにいくつか買ったその店の洋菓子の味はしっかりと私の舌の記憶にありました。シールもきっちりした包装も昔のままです。今では入手困難なお店の一つです。
ここのお菓子は紅茶と合わせるのがベストです。以前は紅茶も扱っていましたが、今は取り扱いないと聞きます。 アマンディーヌでしょうか、ナッツと生地の硬さ、しっかりした甘さ、変わらぬ美味しさです。この店のどの菓子も間違いない美味しさを持っています。一度お会いしたご主人のお顔が浮かびます。
甘さもバターの油脂分も最近のさっぱり方のお菓子ではありません。どっしりと重いフランス菓子です。それなのに食べた後にその重さが残らない、不思議だなと思います。手を抜かない、丁寧な作りのお菓子です。
手を抜かない物作りに憧れます。心して手を抜かないつもりですが、年齢とともに手先が思うように動かなくなりました。毎日の自分の生活、刺繍や菓子づくり、パン焼き、ご飯を作ること、家族も小さくなり小さなサイズになりました。ここのお菓子を食べながら、20代の頃の私の気持ちが蘇りました。小さくなったからこそ、手を抜かずものを作りたい。20代の頃、何もが新鮮で自分に吸収したいと思ったあの頃に立ち戻りたいと思います。65歳の現在、気持ちを今一度整えます。手を抜かず作られた焼き菓子が私に教えてくれました。
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