気ままに

大船での気ままな生活日誌

明月院のうさぎ

2010-10-02 18:48:02 | Weblog
明月院はがらんとしていた。3日前のことだから、平日だし、もう、午後4時だったのでしようがないかもしれない。でも、前向きに考えれば、こんな静かな明月院境内を散歩できるのだから、こんなに幸せなことはない。紫陽花の頃は、とても、こんな写真はとれない。山門へ向かう石段、誰ひとりいない。

花さえない。いや、数本の彼岸花と一株の玉紫陽花が咲いているだけだった。人もなし、花もなし、うさぎ小屋に行ったら、うさぎもいなかった。こんな、意味不明な張り紙があった。


どこへ行ったの?うしろにいたリス君に聞いたが、食べるのみ忙しく、答えてくれなかった。


ちかくのニャん子に聞いたが、お化粧に忙しく、答えてくれなかった。

花想い地蔵さんに聞いたが、石のように黙っていた。

しかたなく、下に降りていったら、なんとこんなところに、二匹のウサちゃんがいた。ひとりは、二宮金次郎みたいに、はたらきものだった。もうひとりは、のんきに遊んでいた。ネロとユズって、おまえのことかと聞いたら、やっぱり石のように押し黙っていた。たぶん、次の満月の夜に宇宙ステーションに飛んで行くのだろう。




♪明月院の秋は何もない秋です♪と、森進一のものまねをしながら”襟裳岬”のふしで歌っていたら、おどろいた。彼岸花が光悦垣の向こうに、たくさん咲いていた。何もなくはなかった。

すごいね、とほめてやったら、Vサインを出して応えてくれた。あほ国家の船長のVサインとちがって、さわやかなVサインだった。

普段はまじめそうな明月院も、結構、ひょうきんなとこもあって、いいなと思った。



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椿山荘から面影橋まで

2010-10-02 11:29:33 | Weblog
おととい、椿山荘のホテルに泊まり、昨日は、神田川を上がって面影橋まで散歩した。椿山荘庭園内も、根津美術館庭園のように、石仏、石塔などが、あちこちにあり楽しめる。若冲作の、顔の形も分からなくなったような羅漢も好きだ。洛南鳥羽某寺に在った五百羅漢の一部を大正14年頃に移築したものだそうだ。五重の塔もいい。広島県加茂郡の山上伽藍、篁山竹林寺に放置されていた塔を、藤田平太郎が譲り受け、移築したとのこと。都内で、現存する古塔としては、上野動物園内の旧寛永寺五重塔と池上本門寺五重塔、そしてこの椿山荘の三重塔だけだそうだ。これから改修工事にうつるので、しばらくみられません。お近くの方はみてきてください。ついでに羅漢もね。嵐寛はいません。アラフォーなら庭園内でみかけるかもしれません。

椿山荘の近くに、講談社野間記念館があり、”鏑木清方一門と近代美人画展”をやっていた。これは前日観てきた(感想文はのちほど)さらに、そのちょっと先を左折すると、細川家の永青文庫がある。ぼくが、寄ろうかと思ったときは、たいてい閉まっていて、その日も固く、門を閉じていた。”神と仏 日本の祈りのかたち”展はもう終わっていて、翌日から、秋季展示が始まるとの案内があった。

その向かいに、芭蕉庵がある。芭蕉が34歳から37歳まで、この地に住んで、関口の水道工事現場監督をしていたそうだ。ここを訪ねるのは、二度目だが、芭蕉のお墓がここにもあるのをはじめて気づいた。大津、膳所にある義仲寺にお墓があり、5年ほど前、訪ねたとき、ちょうど芭蕉の時雨忌が行われていた。鼠小僧次郎吉のお墓も回向院のほか、何か所もあるが、慕われる人は、たくさんのお墓がつくられるのだろう。芭蕉のお墓は”さみだれ塚”という、しゃれた名がついている。


 
句碑もあり、”古池やかわずとびこむ水の音”。本当に、古池もあった。

本当の芭蕉もいた。

芭蕉庵を出ると、すぐ横に、水神社があった。かわいらしい神社だった。井の頭池から、神田、日本橋方面に水をひいた、日本最古の神田上水に関わりのある神社だった。恩恵を受けた、神田方面からの参拝者も多かったという。このあたりは、前に田んぼ(早稲田大学方面)その向こうには富士山が、そして、後ろは椿山と、観光名所だったようだ。

神田川沿いを歩く。途中で江戸小紋の染物屋さんがやっている博物館があった。だれもいなかったが、のぞかせてもらった。ひと月程前、鎌倉芸術館で江戸小紋の個展をみて、繊細なうつくしい文様としっとりした落ち着いた色合いに感心したものだった。自分がいなくなったら、この技術は消えると豪語していたが、たしかにすばらしいものだった。江戸小紋の匠の技術も絶滅危惧種になってしまったのだろうか。



神田川沿いは桜並木で、花見の頃にきてみたいなと思って、きょろきょろしていたら面影橋についた、久しぶりに都電荒川線に乗りたいと思ったから、ここをめざした。ここに、面影橋という駅がある。三ノ輪が終点だが、全線150円という安さだ。ぼくは大塚駅前でおりて、山手戦に乗り換え、江戸博に向かったのだった。
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