明月院はがらんとしていた。3日前のことだから、平日だし、もう、午後4時だったのでしようがないかもしれない。でも、前向きに考えれば、こんな静かな明月院境内を散歩できるのだから、こんなに幸せなことはない。紫陽花の頃は、とても、こんな写真はとれない。山門へ向かう石段、誰ひとりいない。

花さえない。いや、数本の彼岸花と一株の玉紫陽花が咲いているだけだった。人もなし、花もなし、うさぎ小屋に行ったら、うさぎもいなかった。こんな、意味不明な張り紙があった。

どこへ行ったの?うしろにいたリス君に聞いたが、食べるのみ忙しく、答えてくれなかった。


ちかくのニャん子に聞いたが、お化粧に忙しく、答えてくれなかった。

花想い地蔵さんに聞いたが、石のように黙っていた。

しかたなく、下に降りていったら、なんとこんなところに、二匹のウサちゃんがいた。ひとりは、二宮金次郎みたいに、はたらきものだった。もうひとりは、のんきに遊んでいた。ネロとユズって、おまえのことかと聞いたら、やっぱり石のように押し黙っていた。たぶん、次の満月の夜に宇宙ステーションに飛んで行くのだろう。


♪明月院の秋は何もない秋です♪と、森進一のものまねをしながら”襟裳岬”のふしで歌っていたら、おどろいた。彼岸花が光悦垣の向こうに、たくさん咲いていた。何もなくはなかった。

すごいね、とほめてやったら、Vサインを出して応えてくれた。あほ国家の船長のVサインとちがって、さわやかなVサインだった。

普段はまじめそうな明月院も、結構、ひょうきんなとこもあって、いいなと思った。

花さえない。いや、数本の彼岸花と一株の玉紫陽花が咲いているだけだった。人もなし、花もなし、うさぎ小屋に行ったら、うさぎもいなかった。こんな、意味不明な張り紙があった。

どこへ行ったの?うしろにいたリス君に聞いたが、食べるのみ忙しく、答えてくれなかった。


ちかくのニャん子に聞いたが、お化粧に忙しく、答えてくれなかった。

花想い地蔵さんに聞いたが、石のように黙っていた。

しかたなく、下に降りていったら、なんとこんなところに、二匹のウサちゃんがいた。ひとりは、二宮金次郎みたいに、はたらきものだった。もうひとりは、のんきに遊んでいた。ネロとユズって、おまえのことかと聞いたら、やっぱり石のように押し黙っていた。たぶん、次の満月の夜に宇宙ステーションに飛んで行くのだろう。


♪明月院の秋は何もない秋です♪と、森進一のものまねをしながら”襟裳岬”のふしで歌っていたら、おどろいた。彼岸花が光悦垣の向こうに、たくさん咲いていた。何もなくはなかった。

すごいね、とほめてやったら、Vサインを出して応えてくれた。あほ国家の船長のVサインとちがって、さわやかなVサインだった。

普段はまじめそうな明月院も、結構、ひょうきんなとこもあって、いいなと思った。