当初、ほぼ絶望視されていた、チリ鉱山作業員が、日本時間午後12時10分に、無事、生還した。ぼくは、この生還の様子をNHKテレビの生中継で、固唾をのんで観ていた。第1号の作業員、アパロスさんが地下700メートルから、救出カプセルに乗って、地上に現れたとき、サイレンが鳴り、NHKの画面に、生中継しているのにかかわらず、その画面に”速報”の文章が入った。この瞬間、ぼくも、チリの家族の方々、チリの国民、そして、全世界の人々が、そうであったように、目頭があつくなり、胸がいっぱいになってしまった。
事故が起きて、埋められ、もうだめかと思われていたのに、事故17日後に、まだ全員生きているとのメッセージが、掘削ドリルの先につけられていた。でも救出には4カ月かかるとの判断、ほぼ絶望と考えられていた。それが、なんと、チリ政府の懸命な救出作業により、予定よりも2カ月も早く、70日目の今日、奇跡的に救出されたのだ。午後7時現在で、7人が地上に戻り、2日間かけて、全員の救出が予定されている。
70日もの間、あの狭い空間で、生き続けてきたチリ作業員の人々には、本当に頭が下がる。ぼくなど、今はもちろん駄目だが、若いときでさえ、とても無理だったと思うし、今の日本の若者でもここまで、頑張れるだろうか。
事実は小説より奇なりという言葉があるが、まさにその通りだった。実際、映画化しようとする構想もあるらしい。それほどの奇跡だった。まだ、救出は続く。最後の人が地上に戻ってくるまでは安心できない、全員救出まで祈っていよう。
お月さまも、祈ってくれているだろう。