気ままに

大船での気ままな生活日誌

国宝油滴天目茶碗を観る

2010-12-07 10:27:38 | Weblog

出光美術館で、”茶陶の道/天目と呉州赤絵”展が開催されているが、特別出品として、国宝大名物”油滴天目茶碗”が期間限定(12月5日まで、もう終わり)展示されていることを知り、12月3日に行ってきた。この茶碗は大阪市立東洋陶磁美術館所蔵だが、もとは安宅コレクションのものである。

今年の春、大阪市立東洋陶磁美術館に”北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展”をみにいってきたが、そのときは油滴天目茶碗は展示されていなかった。一番最近、観たのは、2007年、三井記念美術館で開催された”安宅英一の眼、安宅コレクション”のときだった。だから、約3年ぶりの対面となる。

それは、展覧会場の真ん中あたりに、まるで楊貴妃のようにうつくしく輝いていた。無数の星が茶碗いっぱいに散りばめられて、それは、ひとつの宇宙、まるで銀河系星雲のようであった。加えて、油滴天目茶碗の付属品がすべて展示されている。天目台、その箱と蓋、仕覆、挽家(ひきや)、さらに由来状(秀次が所持していたことなどが書かれている)など、ひとそろいが、茶碗を取り囲んでいる。とてもうれしい再会だった。

今から、出光に行っても、この女王様はみられません。あとはろくなのがありません。と、いうのは冗談で、この油滴天目茶碗と同じ、建窯でつくられた天目や、その他、中国福建省の陶磁のいいものがいくつもあった。はじめは、越州や龍泉の青磁、景徳鎮白磁などの模倣品が主体だったが、徐々に、独自のものがつくられ、前述の建窯の天目、同安窯の青磁、徳化窯の白磁や呉州(ごす)赤絵などがつくられてきたようだ。

写真はないけど、青磁浮牡丹浮遊環耳瓶、珠光青磁茶碗、などが気にいった。呉州赤絵の皿や鉢がずらりと並んでいたのは壮観だった。マスゲームとして楽しんだ。どれもみな同じにみえて、これはというのはなかった(汗)。ただ、緑が主体の変わり者の、呉州赤絵山水天下一文皿は、朝ドラの”てっぱん”の、あかりちゃんのように元気で可愛かった。

その他、茶入れとか、茶壷とか、茶道具がたくさんあったが、これからは、茶碗だけでなく、これらにも関心をもっていこうかな、とちょっと思った。

 

安宅と出光。創始者のお墓が、鈴木大拙のお墓の両隣りにあります。大拙のZEN研究の経済的支援をされた方です。東慶寺に来た時にはお寄りください。ただし、油滴天目茶碗の蒐集は二代目の安宅英一氏が行いました。会社は破綻しましたが、貴重な美術品をたくさん残してくれました。金儲けして、社内埋蔵金ばかり増やし、その金で他国に進出し、日本人に何の役にもたたないことばかりやって、結局、だまされて破綻するに決まってる、最近の大会社の経営者よりよほどえらいと思います。


コメント
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