鏑木清方記念美術館で、七絃会開催八十年記念展として表記の展覧会が12月12日まで開かれていた。ぼくは先月に行っているのだが、その感想文を書いているつもりでいたが、よく調べてみたら、そのとき"鏑木清方と七絃会の作家たち”という講演会があり、講師でいらしていた平塚美術館長の草薙奈津子さんが話されたことを、別の記事でちょっと紹介しただけだった。以下のミーハー的なことである(笑)。
明治時代初期に、龍池会という美術団体ができて、明治20年に”日本美術協会”と改称され、それが現在も存続している。その協会が、1989年から、絵画、建築、演劇等の分野で顕著な業績を上げた人を全世界から選び、”高松宮殿下記念世界文化賞”として表彰している。今年、女優として初めて”演劇・映像部門”で受賞されたのが、先日、来日されたソフィア・ローレンさんだった。授賞式に出られた奈津子先生は、彼女の首飾りがすごくきれいだったと女性らしい感想を述べていました。という文章だった(笑)。
七絃会というのは、官展に対抗して、三越百貨店美術部が主催した日本画のグループで、鏑木清方をはじめとした、靫彦、古径、青邨、契月、麦僊、百穂の七名がこれに列した。講演会では、これらの画家たちの、当時の作品をパワーポイントで紹介していただいた。七絃会には、途中から、清方の推薦で御舟も入り、1934年、第5回七絃会に”白鷺紫閃”を出品している。清方は御舟を高く評価していたことがよくわかる。それぞれの作品についていろいろ興味深いことが話されたが、記憶があいまいになってきたので、ここでは省略させてもらい、本展覧会のことに入りたい。
ここでは七絃会展の出品作品だけではなく、同時代の作品も展示している。二曲一双の”桜もみじ屏風”がはじめにでんと控える。これは3回展の作品だ。遠出する姉妹、キセルで一服する。桜紅葉と桔梗がうつくしい。姉妹の着物もいい色だ。浅葱色というのかな。
”花ざかり”。大奥の女中さん。上野の花見をしているところらしい。そういえば、花びらが散っている。”明鏡”鏡にうつる自分に見惚れるオナシスト(爆)。いずれも茨城県近代美術館所蔵。元茨城県民としては鼻が高い。”汐路のゆきかひ”もそうだ。
”お夏清十郎物語”は、第10回七絃会に出品している。いかにも清方らしい、いい絵が六図。”大和路のある家”昭和5年作。唐招提寺南大門前に建っていた味わい深い家を描いた。何でそんなことまで知っているかというと、学芸員さんの説明があったから(汗)。”一葉(下絵)、婦人図(スケッチ)、たけくらべの美登利(下絵)。美登利といえば、おいしい寿司屋さんが世田谷の方にあったな。
清方さんっていいな、そうかい、そんなにいいかい、寿司食いねえ、江戸っ子だってねえ、そうよ、神田じゃなくて三鷹の生まれよ、まあそれでもいいや、寿司食いねえ、美登利寿司食いねえ、そして、その一の子分は誰だね、そうだね、シ・・・。深水かね、そうだな、あいつは娘も美人だし、あいつの美人画には適わんなあ、寿司食いねえ、えっ、深水じゃないって?、いったいそいつは誰だ。・・・・シブがき隊だな。立ち直りが早いな。”寿司くいねえ”の歌が好きなんだな。
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明鏡と花ざかり
お夏清十郎物語と汐路のゆきかひ
一葉(下絵)と婦人図(スケッチ)そして、遅れて記事にしたお詫びに、すでに始まっている展覧会のちらしを掲載します。鎌倉にお越しの節はお寄りください。お寿司をごちそうします。大船の回転寿司です。