気ままに

大船での気ままな生活日誌

節分の日に

2011-02-03 21:55:27 | Weblog

今日は節分の日。八幡さまに出かけた。若宮大路のラーメン屋さんで地元の年配の人が話している。節分会は、建長寺が11時で、八幡さまが1時、大塔宮(鎌倉宮)が3時なんだよな。おかみさんが、今日、行くんですか?と聞くと、子供のときはよく行ったけどもう行かないよ。おれはこどもか(汗)。時間をずらしている理由があとでわかった。3人のミス鎌倉がかけもちするらしい。

1時から節分会の儀式がはじまり、舞殿での豆まきは2時頃になるとのこと。その間、境内の国宝館ですごした。そこの氏家コレクションは新年早々、観ているが、もう一度観てもよい、それに常設展の仏像さんたちも観てみたいと思った。前日、金沢文庫で運慶展をみたことも、それを後押しした。大町辻薬師堂(現在は国宝館所蔵)の薬師三尊と十二神将が、今回も中央に展示されていたが、それらが、運慶作の、今は亡き鎌倉の大倉薬師堂の仏像の影響を受けたことを知った。さらに、浄妙寺の釈迦如来坐像、浄智寺の地蔵菩薩坐像、建長寺の千手観音菩薩坐像などが運慶様式を色濃く残していることもわかり、改めて、鎌倉時代の仏師たちに与えた運慶の影響の大きさに感心した。

まだ時間があったので、八幡さまに近い、川喜多映画記念館にも寄ってみた。”湘南の映画スター、加山雄三展”をやっていた。若大将シリーズを中心にした、映画ポスターやスチール写真が展示されていた。若き日の加山雄三、相手役の星由里子がまぶしかった。他の映画の共演者、酒井和歌子や内藤洋子の若き日の姿も、懐かしかった。数日後から、加山雄三出演の映画も7本ほど上映されるらしい。三船敏郎と共演した”赤ひげ”や高峰秀子ととの”乱れる”も観てみたいと思った。高峰秀子といえば、最近、お亡くなりになったが、”二十四の瞳”が追悼記念上映されるとのことだ。早速、前売り券を買っておいた。女優としても、その後の生き方も、とても魅力的な方だった。

2時近くになったので、八幡様まで戻り、節分の豆まきを見学した。舞殿上の、たくさんの年男、年女に混じって、ミス鎌倉のお嬢さんたちが、福は内、鬼は外と、笑顔いっぱい、多くの人々に福豆を投げていた。邪気が払われ、無邪気な子供になったような気がした。やっぱり、おれはこどもだ(汗)。

 

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運慶展 in 金沢文庫

2011-02-03 10:34:18 | Weblog

昭和5年に北条実時創建の金沢文庫を顕彰・継承するために設立された県立金沢文庫が今年80周年を迎えるという。その記念特別展として”運慶展”が開催されている。運慶の真作と確認されているものは、高名な仏師にもかかわらず、非常に少なく、今回、7点もの作品(国宝と重文ばかり)が一堂に会するということはめったにないことである。言ってみれば、2,3年前、上野で開催された、寡作のフェルメールの作品が7点揃った展覧会みたいなものである。そんなわけで、平日にもかわらず、いつになく賑わっていた。

この企画のきっかけは、平成19年春に金沢文庫に隣接する称名寺の光明院所蔵の大威徳明王像の保存修理のときに見つけられた像内納入品の奥書から、これが運慶最晩年の作であることが判明したことからだそうだ。これで全国唯一の運慶作品を保存する公立博物館になったのだ。えへん。何故いばるかというと、金沢は鎌倉時代にはわが”鎌倉市”の領土だったから。加えて、金沢文庫は称名寺のたくさんの聖教群を保管しているが、その中に多くの運慶の造像、修理関係の重要資料が多数含まれている。それらも含めて今回、展示されている。

もうひとつ話題の仏像さまもおでましになる。ただ、これだけは2月25日(あるいは8日、資料によって違う記載)から展示されるので拝観できなかった。ニュースにもなったが、2008年、ニューヨークのオークションで、真如苑(宗教団体)が破格の高額で落札し、海外流出を防いだ大日如来坐像である。

まず、ちらしを飾る、奈良・円成寺所蔵の国宝、大日如来坐像。安政二年(1176年)作で、運慶の仏師デビュー作である。高貴で整った大日如来さまになっている。今回、いつもは買わない図録を買ったが、その説明によると、”平行線を主体とした脚部の衣文などに、なお平安後期様式を残しているが、いかにも自然ですみずみまで的確な写実的表現に運慶の天賦の才が示される”とある。

大日如来坐像は、前述の真如苑の他、栃木・光得寺所蔵の厨子入り大日如来坐像もある。小像であるが、髪を高く結った、丸々とした、やさいいお顔、そしてがっちりとした身体である。厨子も台座の獅子はかわいい顔をしていた。

愛知滝山寺の帝釈天立像は、今回、一番華やかな作品だった。天衣の模様、色彩も鮮やかで、装飾品もつけ、黄金色の高貴な、ふっくらしたお顔を少しうつむき加減にして立っている。

そして、ぼくがもっている運慶作品のイメージとしてぴったりなのが、不動明王立像と毘沙門天立像(いずれも神奈川・浄楽寺)。力強い、躍動感あふれた立像である。

そして、今回のもうひとつの目玉。約50年ぶりに運慶作が発見された、光明院所蔵の大威徳明王像。木造、彩色、玉眼で、健保4年(1216)作。21cmの、小さな像だが、よくみると、とても怖いお顔だ。本来は六面六手六足で、ぼくの好きなぞろ目の(笑)仏像だ。

その他にも、東大寺の金剛力士像の金剛杵材銘文、像内納入品(いずれも国宝)や重文の舞楽面など貴重な資料、作品が展示されている。

真如苑の大日如来坐像がこられたときに、また行きたいと思っている。

 

 

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