ぼくの母さんはえらいと思う。呼吸困難で救急車で運ばれるとき、救急員の方に、意識の程度を知るためか、”今日は何日ですか”と質問された時に、4月〇日です、と正確に答えた。ぼくは、今、呼吸困難でもなんでもないのに、今日、何日かすぐ答えられないし、これから書こうと思っている、あの東御苑の梅林坂に行った日も昨日ではなかったくらいしか、記憶がない(汗)。パソコンのピクチャー欄を開けて、その日が2月19日であることを知った。そうだ、あの日は、ワイフと歌舞伎座前の焼肉の天壇で食事をして、近くの岩手県アンテナショップで、ひと月前にここで買った、わかめがなくなったので、二袋買った。そして、出光美術館で、琳派の後期展、酒井抱一を観て、そして東御苑に向ったのだ。いったん、記憶の部屋の扉が開けば、こうして次々と記憶がよみがえってくるから、まだ完全なぼけではなさそうだ。
東御苑の梅林が、そろそろいいはずだ、とワイフが言うので、行ってみた。あそこは無料で、入れるし、見どころも多いので、外人さんもよくみかける。その日も、結構いた。三の丸尚蔵館では”外国からのごあいさつ”展をやっていた。国賓の方がおみやげにもってこられた品物を展示しているのだ。ぼくらの手みやげと違って、宝物のようなものばかりだった。目の保養になった。
そして、平河門近くの梅林坂へ。ここには、坂の登り口と坂の両側に白梅、紅梅が、たくさんある。場所が場所だけあって高貴な梅だ。香りもゆかしい。大船の梅とは違う。
では、優雅な東御苑、梅林坂の見頃になった梅をご紹介いたします。